元ヘッジファンドPMがAIで銀行業界を変える——ヘッビアのAI戦略責任者が語る、金融とAIの融合の未来
元ヘッジファンドのポートフォリオマネージャーだったバリー・ドゥオン氏は、現在、金融サービス向けAIスタートアップ「ヘビア(Hebbia)」の公共株式部門AI戦略リーダーを務めている。彼は、Balyasny Asset Managementやシティゼル、ニューマウンテン・キャピタルで勤務した経験を持つ金融界の専門家で、AIの可能性に惹かれてWall Streetから転身した。非競争義務期間中にAIツールを試した際、その潜在力の大きさに驚き、AIの未来に強い関心を持つようになったという。 彼は、ChatGPTの登場時、既存の金融機関はAIの導入にまだ遅れていたと振り返る。そこで、AIの開発側に立つことを選択。ヘビアでは、クライアント企業の金融関係者に対し、独自のプロンプトを設計し、AIを活用した業務プロセスの構築を支援している。単なる作業の自動化にとどまらず、インベストメントバンカーから上級マネージングディレクターまで、あらゆる階層の人物がAIを活用して仕事の質を高められる仕組みを提供している。 ドゥオン氏のチームは、金融の専門知識を持つ人材で構成されており、金融の各分野(投資銀行、クレジットなど)の深さを理解した上で、AIの活用法を設計。プロンプトの最適化、モデル選定、文脈設計といったプロセスを繰り返し調整し、高精度な出力を実現。人間の知性と創造性が不可欠であると強調し、「AIの管理」は単なる技術力ではなく、問題解決力と戦略的思考が求められると指摘。 同社のユーザーは週に数十万ページの情報を処理可能で、累計で10億ページ以上を処理。これは約3,000年分の読書量に相当する。AIは人手を減らすのではなく、各人の生産性と戦略的判断力を高めるツールとしての役割を果たす。今後、AIの管理能力が新たなスキルとして求められ、若手が「AIエージェントのマネージャー」になる時代が到来する。金融は「科学」と「芸術」の融合であり、AIの可能性はまだ始まったばかりだ。
