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19歳のティーンエイジャー創業者がAIを活用し、安全な新規農薬の開発に向け600万ドルを調達。ピーター・グレイムズも参画し、農業の持続可能性に挑む。

サンフランシスコ——農業テック企業のBindwellは、AIを活用して農薬の発見を加速するとして、600万ドルのシードラウンドをGeneral CatalystとA Capitalが共同リードし、SV AngelおよびY Combinatorの創設者ポール・グレアムも参加して資金調達を発表した。同社は2024年に18歳のタイラー・ローズと19歳のナヴヴィ・アナンダが設立。当初はワルフラム夏期研究プログラムで開発した薬物発見用AI「PLAPT」を基に、農業分野への応用を模索していた。彼らは農業における害虫対策の課題を、自身の家族経験を通じて実感しており、ローズの叔母が中国で農業を営んでおり、アナンダの家族はデリーの農地を持つなど、現場の実情に深く関わりを持つ。 当初、BindwellはY Combinatorの冬2025期に参加し、大手農薬企業にAIツールを販売する戦略を立てていたが、業界の反応は冷たかった。中間段階でポール・グレアムの自宅で行われた対話が転機となり、彼は「自社で分子を設計し、知的財産をライセンスする」という戦略を提言。これにより、企業の方向性が大きく転換。AIモデルの販売から、自社開発による新規農薬分子の創出とIPライセンスへと移行した。 Bindwellが開発したAIツール群は、DeepMindのAlphaFold 3より4倍速く、数十億の分子を分析可能。主な構成は、蛋白質構造予測用の「Foldwell」、薬物-ターゲット結合予測用の「PLAPT」、バイオ農薬スクリーニング用の「APPT」、および結果の信頼性を評価する不確実性評価システム。特にPLAPTは、既存の合成化合物を6時間以内にスキャン可能で、オープンソースとして公開。AIは害虫に特異的で、人間や有益な昆虫、水生生物に影響を与えないターゲット蛋白質を特定し、その機能を阻害する分子を設計する。 世界の農薬使用量は過去30年で2倍に増加したが、UNFAOのデータによれば、年間40%の作物生産が害虫や病害で失われている。従来の農薬は、効果が薄れると量を増やすという悪循環に陥り、環境と耐性の拡大を招いている。Bindwellは、AIによる「ターゲットベース」の分子設計で、この循環を断ち切る可能性を示している。 現在、サンカルロスの自社研究所で有効性試験を実施中。第三者機関との共同検証も進行中。インドや中国での実地試験の準備も進み、大手農薬企業とのライセンス契約交渉も進行中。チームは4名で、外部の合成支援も活用。今後1年以内に初の提携契約を締結する予定。グレアムを含む投資家陣は、AI技術の革新性と若手創業者の実行力に期待を寄せている。農業の持続可能性を支える次世代技術の登場が、今まさに始まっている。

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