AI設計の出発点がタンパク質進化を促進
人工知能によるタンパク質設計と実験室誘導進化を統合し、新規機能酵素の開発効率を飛躍的に向上させる新手法が確立された。自然由来酵素は構造安定性の不足から目的変異の獲得に制約があり、進化速度と成功率に上限があった。本研究では機械学習ProteinMPNNと計算手法PROSSを用いてボツリヌス毒素プロテアーゼの安定性・発現性を高め、PACE法での進化起点とした。 設計起点酵素は天然型に対し、新規基質への適応が格段に高速化し、進化成功率が大幅に向上した。安定性マージンの拡大により、天然型では機能不全に終わる変異も取り込めるようになり、適応度地形が広範囲に展開された。高難易度基質では設計起点の全並列実験が成功し、天然起点の失敗例を圧倒した。 神経変性疾患関連タンパク質アキシン2を標的とするプロテアーズ開発に応用した結果、設計進化由来酵素は切断活性が約1.7倍高く、オフターゲット活性は検出限界以下となった。細胞内発現でも効率が優れ、治療応用の可能性を示した。計算設計と連続進化の統合ワークフローは、創薬や産業用酵素開発の標準化が進む。高特異性・高安定性を持つ次世代機能性タンパク質の実用化が加速する見通し。
