中科院が開発 蛋白質界面設計用原子生成モデル
中国科学院上海有機化学研究所の研究チームは、タンパク質界面設計のための新規生成AIモデルVoid-Xを開発し、学術誌PNASに発表した。タンパク質間相互作用やタンパク質薬物複合体の原子レベル制御は創薬の重要課題だが、従来の生成AIは全体構造を先に設計するトップダウン型が主流であった。Void-Xは特定の構造領域に対応する原子分布を直接生成するボトムアップ型アプローチを採用し、界面の原子空位を埋める原子充填モデルとして動作する。モデル訓練にはタンパク質データベースから抽出した800万個以上の球状原子クラスターを用い、外側約30%の原子をマスクして生成予測を実装した。1億7000万パラメータを有するVoid-Xは、鎖内原子クラスター予測精度78.3%、鎖間予測精度68.2%を達成。原子スケールの相互作用パターンを学習することで、物理学的に解釈可能なタンパク質界面設計の基盤を構築した。本技術は組織特異的なタンパク質送達や高精度創薬プロセスの高度化に寄与し、タンパク質設計のパラダイム転換をもたらすと期待される。研究は国家自然科学基金委員会および中国科学院の支援で実施された。
