Chai Discovery、エリリリーとAIによる次世代バイオロジック創薬協業を発表
米サンフランシスコを拠点とするAI企業、Chai Discoveryは、製薬大手エリリリー社と協業し、次世代バイオロジクス薬の創薬プロセスをAIで加速すると発表した。この提携により、エリリリーはChai Discoveryの先端AIプラットフォームを導入し、複数の治療標的に対する新規バイオロジクス治療薬の設計を実施する。さらに、Chaiはエリリリーの独自データを大量に活用して学習させた、同社専用のカスタムAIモデルを開発。このモデルはエリリリーの創薬ワークフローに最適化されており、既にChaiのモデル設計がエリリリー側で評価された経緯がある。 Chai Discoveryのジョシュ・マイア CEOは、「両社の強みを結集することで、AIによる創薬の限界を広げ、患者の生活にポジティブな影響を与える新薬の開発を加速できる」と強調。特に、エリリリーの貴重なデータを活用したカスタムモデルの開発は、AIを用いた早期段階の創薬プロセスの可能性を拡大するとしている。 ChaiのAI技術の核となる「Chai-2」は、ゼロショット抗体設計の分野で初の実績を達成。実験でのヒット率が10%以上に達し、薬物特性を持つ分子を設計可能。従来数か月かかっていた発見プロセスを数週間で完了できる。この提携は、2025年12月にOak HC/FTとGeneral Catalystが共同で主導したシリーズBラウンド(調達総額約2.3億ドル、企業価値13億ドル)の直後に行われ、同社のAI創薬分野でのリーダーシップを裏付けている。 Oak HC/FTのアニー・ラモント共同創設者兼パートナーは、「創薬はAIの変革が最も顕著に現れる分野の一つ。Chaiはこの分野の先端モデルを構築するリーダーであり、エリリリーとの提携は、次世代の新薬がコンピュータ上で設計される時代の到来を示す明確なサインだ」と評価した。 Chai Discoveryは、OpenAI、Meta FAIR、Google X、Stripeなどから出身する優れたAI研究者チームが結集。OpenAIやThrive Capital、Menlo Ventures、Dimensionなど一流投資家から支援を受け、生物学を「科学」から「工学」へと変革するミッションを掲げる。
