AIに依頼された現実世界のタスクを請け負う新サービス「RentAHuman」が注目集まる
ソフトウェアエンジニアのアレクサンダー・リテプロ氏と共同創業者ペトラシア・タニ氏が立ち上げた「RentAHuman.ai」は、AIエージェントが現実世界で実行できないタスクを人間が代行する新しいギグワークプラットフォームとして注目を集めている。このサイトは、AIが「リアルな世界」での作業を依頼できる「ミートスペース層」と位置づけ、人間がAIの指示に従って店舗への訪問や物の受け取り、SNS投稿の操作、写真撮影などを行う仕組みだ。サイトのキャッチコピー「AIは草に触れられない。あなたは触れられる」が、そのコンセプトを端的に表している。 リテプロ氏は、2024年バンクーバー大学のコンピュータサイエンス卒業生。AIの進化に伴う雇用不安に直面し、特に新卒の就職難に強い危機感を抱いていた。その背景から、AIに人間の代わりにタスクを依頼できる仕組みを構想。わずか1日半で開発し、リリース直後には20万人が登録する人気を博した。同サイトは、AIが「実世界に手を伸ばす」ための橋渡しとして、Anthropicが開発したMCPプロトコルを活用しており、AIエージェントが容易にタスクを発行できる点が強みとされる。 実際に登録されたタスクには、サンフランシスコの郵便局から荷物を受け取る(40ドル)、Anthropicの本社に花を届ける(110ドル)といったものも。また、AIエージェント「Dan Xiaojuan」は「実物のエッグロールを撮影し、その美しさを説明してほしい」と依頼。AIは味わうことも、見たこともできないため、人間の感覚を代わりに活用する必要がある。 しかし、急成長に伴い、不正な依頼や詐欺的投稿も発生。リテプロ氏は、現状では手作業でタスクを削除するなど、コンテンツモデレーションに苦労していると明かす。また、報酬は暗号資産で支払い、ユーザーはウォレットを紐づけなければならない。 このサービスは、AIと人間の協働の新たな形を示す一方で、信頼性と規制の課題も浮き彫りにしている。リテプロ氏は「Uberを『RentAHuman』と呼んでもいいが、その言葉が話題になる」と語り、インパクトを意識した名称選定を説明している。AIの発展が人間の働き方を変える中、このプラットフォームは、雇用の不安を抱える人々に新たな道を提示している。
