OpenAIがMac向けAIインターフェース開発チームSkyを買収、ChatGPTがmacOSに深く統合へ
OpenAIは、Mac向けAI言語インターフェース「Sky」を開発するSoftware Applications Incorporated(SAI)を正式に買収した。この取引は、OpenAIがChatGPTをMacユーザーの日常作業に深く統合する戦略の一環として、大きな前進を示している。SAIは2023年8月に設立され、5月にSkyを発表。同アプリは、自然言語で指示を出せば、ユーザーの作業中に文書作成、コード作成、スケジュール管理を自動で支援し、画面の内容を認識して他のアプリと連携して行動を取る「エージェント型AI」の特性を持つ。Skyは公開前だったが、OpenAIはその技術的潜力とMacとの深いつながりを評価し、全12名のチームメンバーを全員採用。このチームは、Appleが買収した「Workflow」の開発者たちで構成されており、その中でもCEOのアリ・ワインシュタイン氏とコンラッド・クラマー氏は、Appleの「Shortcuts」の基盤を築いた人物。また、COOのキム・ベレット氏は、SafariやMail、FaceTimeなどAppleの主要製品で長年プロダクトマネジメントを担当した経験を持つ。 OpenAIのChatGPT責任者であるニック・ターリー氏は、「SkyのMacへの深いつながりは、AIを人々が毎日使うツールに直接組み込むというビジョンを加速する」と強調。同社のアプリケーション責任者フィジ・シモ氏とターリー氏がこの買収を主導し、取締役会による承認も完了。取引金額は非開示だが、SAIは当初650万ドルのシード資金調達を実施。その出資者には、OpenAIのサム・アルトマンCEOが投資ファンドを通じて参加していたことが明らかになった。アルトマン氏は、この買収が彼の個人的関与と戦略的整合性を持つと評価されている。 この買収は、OpenAIが最近のM&Aブームの一環である。5月にジョニー・アイヴ氏のAIデバイススタートアップ「io」を60億ドル以上で買収、9月にはプロダクト開発ツール「Statsig」を11億ドルで買収するなど、技術の垂直統合を進めてきた。一方、AppleはAI分野で遅れを取っているとされ、来年にはAI搭載の新Siriを発表する予定。Apple Intelligenceは既に文章補完やライブ翻訳、画像生成などの機能を提供しており、Siriの質問に応えられない場合、ChatGPTに委ねる仕組みも構築中。しかし、Skyのような「画面を監視し、アプリを操作する」エージェント型AIは、プライバシー懸念を引き起こす可能性があり、Appleが同様の機能を導入するには時間がかかると見られている。 SAIチームの経験と技術は、OpenAIがMacプラットフォームでのAI統合を加速させる上で、極めて貴重な資産となる。今後、ChatGPTがMacのエコシステムに自然に溶け込み、作業の自動化と生産性向上を実現する鍵となる可能性がある。
