AI開発の鍵は「人間のタイピング速度」——Codex責任者がAGI実現の最大の障壁と指摘
OpenAIのCodex製品開発を統括するアレクサンダー・エムビリコス氏が、人工一般知能(AGI)の実現に向けた最大の障壁の一つとして「人間の入力速度」を挙げた。彼は日曜日に放送された「Lenny's Podcast」に出演し、AGI開発の「現状過小評価されている制約要因」として「人間のタイピング速度」、あるいは「プロンプトの作成やAIの出力検証にかかる人間の多タスク処理速度」を指摘した。 AGIとは、人間と同等あるいはそれ以上の推論能力を持つとされる理論上のAIであり、グーグルやMeta、OpenAIをはじめとする大手テック企業が競い合って実現を目指している。エムビリコス氏は、AIエージェントが作業を監視・実行できても、その出力の検証を人間が行う限り、根本的なボトルネックは残ると説明した。つまり、AIが生み出すコードや出力を人間がすべて確認する必要があるため、生産性の向上は限界に達する。 彼は、AIエージェントが「デフォルトで有用」になる仕組みを構築することで、生産性の急激な上昇、いわゆる「ホッケースティック成長」が可能になると見据える。この成長は、初期の導入者から始まり、次第に大手企業に広がる見通し。エムビリコス氏は「来年から、早期導入企業が生産性の急上昇を体感し始め、その後数年で大企業も同様の成長を実現する」と予測した。 その過程で、AIの生産性向上が再び研究開発に還元され、その循環がAGIの実現に至ると述べた。つまり、AIが人間の作業を代替し、人間の入力・検証の負担を軽減する段階が、AGIの到達に向けた重要な転換点となる。エムビリコス氏の発言は、AIの進化が単なる技術的進歩にとどまらず、人間の働き方そのものに深く関わる現実を示している。
