マッキンゼー、AI人材採用を本格化
AIの普及に伴い、コンサルティング業界の人材獲得戦略が転換している。マッキンジー&カンパニーは長年MBAを重視してきた採用方針を大きく見直し、エンジニアやデータサイエンティスト、テクノロジー企業出身者など多様な背景を持つ人材の採用を加速させている。QuantumBlackの責任者であるベン・エレンクウェイグ氏によると、同社は過去数年で採用ルートを大幅に拡大し、大学やMBAプログラムに加え、コーディングブートキャンプや非伝統的な経歴を持つ人材も幅広く募集している。 ラーバー市場インテリジェンス企業Draupの分析によれば、マッキンジーを含む大手7社(BCG、ベイン、四大会計事務所など)の採用公募は2025年5月期ベースで前年比約24%減少した。一方でAI関連求人シェアは1.4%から5%へ増加し、組織内でAI生産システムを直接デプロイしクライアント対応も担うフォワードデプロイドエンジニアの募集枠はゼロから1,404件に急増した。同職はコンピュータサイエンス分野で4から5年以上の実務経験を求める傾向にある。 マッキンジーのAI部門QuantumBlackは、かつてF1チームと連携した47人のデータサイエンティストから現在では5,000人以上のAI専門職へ規模を拡大している。同業のEYも同様の傾向を示しており、会計士中心の採用体制から技術者やクリエイターを起用する方針へ移行している。エレンクウェイグ氏は、同社全体の組織がテクノロジーリテラシーを備えるよう採用・育成の仕組みを再設計中だと述べている。AI時代におけるコンサルティングの定義が変容する中、業界全体が技術統合型人材への転換を迫られており、今後の人材流動性と業務構造にさらなる影響が予想される。
