HyperAIHyperAI

Command Palette

Search for a command to run...

AIがノーベル賞に値する発見を果たす日は来るか?科学者たちの予測と現状

人工知能(AI)がノーベル賞を受賞する日は来るのか。科学界では、AIが自らの力で画期的な発見をし、人類に大きな貢献する未来が近づいていると、多くの研究者が予測している。2016年、ソニーAIのキタノ・ヒロアキ氏が提唱した「ノーベルチューリングチャレンジ」は、AIが人間の研究レベルに匹敵する発見を、人間の介入なしに独自に成し遂げることを目標としている。現時点ではまだ達成されていないが、2050年までにそのような「AI科学者」が誕生する可能性が示されている。 イギリス・ケンブリッジ大学のロス・キング氏は、その実現が50年ではなく10年以内に起こる可能性も否定できないと語る。AIが科学の全プロセス——仮説立案、実験設計、データ解析——を自律的に行えるようになれば、ノーベル賞の対象となる発見も可能になる。現状では、AIは人間の知識に基づいて文章やアイデアを生成するにとどまるが、その能力を飛躍的に高めるには、基礎研究への大規模な投資が必要だと、ロサンゼルス大学のヨーランダ・ギル氏は指摘する。 すでにAIは、動物の発声の解読や、宇宙における生命の起源の仮説、星の衝突予測、量子コンピュータの最適化など、多様な分野で活躍している。カーネギーメロン大のゲイブ・ゴメス氏らは、ロボット実験装置と組み合わせた「Coscientist」というAIシステムを開発し、自ら実験を計画・実行する試みを成功させた。また、Google DeepMindのAlphaFoldは、たんぱく質の三次元構造を予測する画期的成果で、2024年のノーベル化学賞の一部を受賞したが、これはAIの「開発者」への賞であり、AI自らの発見ではない。 スタンフォード大のジェイムズ・ゾウ氏は、AIが既存の論文とデータから人間が見逃した新たな知見を発見できる実証例を報告。AIがCOVID-19患者の特定の免疫細胞の死に方に関する新しい知見を導き出した。このように、AIは「自らの問いを立て、研究を進める」段階に進んでいる。ゾウ氏は、AI主体の科学会議「Agents4Science」を企画し、AIが論文作成や査読を担う未来を模索している。 一方で、AIの「幻覚( hallucination)」や不確実性といった課題は残るが、人間のフィードバックで改善可能とされる。未来ハウス(FutureHouse)のサム・ロドリゲス氏は、AIが2030年までに、材料科学やパーキンソン病・アルツハイマー病の治療など、未解決の重大課題でノーベル級の発見を可能にするとの見通しを示している。AIが「思考する」だけでなく、「自らの科学を創造する」時代が、すでに始まっている。

関連リンク

AIがノーベル賞に値する発見を果たす日は来るか?科学者たちの予測と現状 | 人気の記事 | HyperAI超神経