Carefull、AI「GreyMatter」を発表 高齢者向け金融リスク予防の次世代インテリジェンスを実装
ケアフル(Carefull)が、高齢者向けの金融リスク管理と詐欺防止を目的とした独自の人工知能(AI)「グレイマター(GreyMatter)」を発表した。同社は、2020年から高齢者の金融安全に特化したAIプラットフォームの開発を進めており、今回、Money20/20のステージでグレイマターの本格導入を発表した。グレイマターは、高齢者に特有の複雑なリスク、たとえば詐欺、認知機能の低下、家族内での金銭的搾取などを、従来のシステムでは見逃されがちな行動パターンから検出・予測するためのAIエンジンだ。 米国連邦取引委員会(FTC)の調査によれば、2024年には高齢者を標的にした詐欺で290億ドル以上の損失が発生した。この背景で、グレイマターは100万件以上の取引データと行動パターンを学習し、60種類以上の複雑なリスクシグナルをリアルタイムで検出。単なる不審取引の検知にとどまらず、記憶力の低下や判断力の衰え、感情的操縦を伴う「ロマンス詐欺」など、心理的・認知的側面を含むリスクも把握できる。 ケアフルの共同CEOであるトッド・ロヴァック氏は、「高齢化は単なる取引の問題ではなく、脳の健康、家族関係、行動パターンの複合的な課題だ」と強調。グレイマターは「過剰な監視ではなく、適切な監視(oversight without overreach)」を実現するとして、金融機関や家族が早期にリスクに気づける仕組みを提供している。 また、同AIは日々の取引や新規詐欺の動向に応じて学習し、進化し続ける「継続的学習型」システム。今後は、銀行、資産運用会社、政府、NPOなどと連携し、「ロングテイリティーファイナンス」と呼ばれる新しい分野を創出する予定だ。 グレイマターの開発に協力したい機関は、公式サイトで待機リストに登録可能。ケアフルは、高齢者が社会の基盤を支えてきたことへの敬意を込めて、AIを「保護」の道具として活用する社会的使命を掲げている。
