Googleが企業向けAIプラットフォーム「Gemini Enterprise」を発表し、AccentureやFigmaとの連携を通じて業務効率化を推進
Googleは、AIの基盤から実用化までを統合した新たなエコシステムを発表し、企業の業務革新を加速している。その中心となるのは、2025年10月に正式リリースされた「Gemini Enterprise」だ。これは、従来のAIが個別のタスクにとどまっていたのに対し、組織全体の業務プロセスをAIで自動化・最適化する「エージェント型AIプラットフォーム」である。Googleの強力なインフラと研究力が支えるこのサービスは、Google CloudのAI戦略の集大成として位置づけられている。 Gemini Enterpriseの基盤には、NvidiaのGPUとGoogle独自のTPU(Tensor Processing Unit)がある。最新のIronwood TPUは前世代比で10倍の性能を実現し、大規模モデルの推論を高速かつ効率的に行える。これにより、Google ResearchとGoogle DeepMindが開発する先進モデル群、特にGemini 2.5 Proが、LMArenaのテキスト・ビジョンランキングで6か月以上トップを維持。医療機関がGoogle Cloudを選択する背景には、こうしたモデルの高い精度がある。生成AIモデルのポートフォリオは、Veo(動画生成)、Imagen(画像生成)、Nano Banana(画像編集)など、世界最大規模を誇り、1300万人以上の開発者が活用している。 Gemini Enterpriseの特徴は、業務データ、ツール、人間の知見を統合する「AIハブ」としての役割だ。従来のAIはアプリごとに孤立していたが、Gemini EnterpriseはGoogle WorkspaceやMicrosoft 365、Salesforce、SAPなどに安全に接続し、文書や会議記録、分析データといった情報を一元的に理解できる。これにより、マーケティングチームは社内データを参照しながら、数分でブランドに合ったキャンペーンアイデアを生成可能。また、法律事務所では契約書の分析やコンプライアンスチェックが大幅に効率化され、時間の削減が実現している。 さらに、企業は「プリビルドされたAIエージェント」や、パートナーエコシステムから選べる数千の検証済みエージェントを活用できる。Accentureとの戦略提携により、ジェネレーティブAIセンター(CoE)がエージェント型AIに対応し、15業種にわたるAIエージェントがGoogle Cloud Marketplaceに提供されている。JCOMではGeminiで顧客対応記録を自動要約し、対応効率を向上。Radisson Hotel GroupはAIで多言語広告を数時間で生成し、収益が20%以上増加した。 Google CloudのCEO、トーマス・クリアン氏は「AIは業務の根本的変革をもたらす機会だ」と強調。Gemini Enterpriseは単なるツールではなく、すべての従業員がAIを活用できる基盤として、業務の自動化と人的リソースの解放を実現する。これにより、企業はより戦略的な業務に集中できるようになり、持続的な成長とイノベーションが可能になる。
