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脳に似た構造を持つAI、訓練なしに人間の脳活動を再現

ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが、AIのアーキテクチャのわずかな変更が、学習前の段階で人間の脳活動に近い挙動を示す可能性を発見した。この成果は『Nature Machine Intelligence』に2025年3月に掲載され、AI開発の根本的なアプローチに挑戦する内容だ。従来のAIは膨大なデータと莫大な計算リソースを用いて数か月にわたり訓練されるが、研究チームは「アーキテクチャそのもの」に注目し、学習前の段階で脳に似た反応を示すAIの構築に成功した。 lead研究者である認知科学准教授のミック・ボナー氏は、「AI界はデータと計算資源を巨額に投入する方向に進んでいるが、人間は極めて少ないデータで視覚を学習する。進化がこの設計に到達したには理由がある。脳に似たアーキテクチャは、AIにとって極めて有利な出発点を提供する」と指摘。研究では、AIの基本構造として広く使われる「トランスフォーマー」「全結合ネットワーク」「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)」の3種類を対象に、ニューロン数や構造を変更した数十種類のモデルを構築。これら未学習のAIに、物体や人物、動物の画像を提示し、人間や霊長類の脳活動と比較した。 その結果、トランスフォーマーや全結合ネットワークはニューロン数を増やしても脳に似た活動パターンが得られなかったが、畳み込みネットワークをわずかに調整したモデルは、人間の脳反応と類似した活動パターンを示した。しかも、これは通常、何百万枚もの画像を学習した従来型AIに匹敵する性能であり、学習前の段階でのアーキテクチャの重要性を強く示している。 ボナー氏は、「訓練データの量が唯一の鍵であれば、アーキテクチャの変更だけで脳に似たAIを実現することは不可能だ。だが現実には可能だった。つまり、正しい設計から始めれば、学習速度を劇的に向上できる可能性がある」と述べる。今後は、生物学的知見に基づいたシンプルな学習アルゴリズムを開発し、新たな深層学習フレームワークの構築を目指すとしている。この研究は、AIの進化において「設計の質」が「データの量」以上に重要であることを示す画期的な証拠となっている。

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