アジア太平洋のデジタル決済が急成長:2027年にはモバイルウォレットがカードを上回る、AIと規制が革新を加速
アジア太平洋地域のデジタル決済市場は、2025年をピークに急速に変化しており、2027年までにモバイルウォレットがカード決済を上回る見通しである。ResearchAndMarkets.comが発行した報告書『Asia-Pacific Digital Payments 2025』によると、2027年までにアジア太平洋地域の店頭決済の66%がモバイルウォレットで行われる。2023年は50%だった。中国、インドネシア、韓国がこの流れを牽引しており、QRコード技術、スーパーアプリ、政府主導のキャッシュレス政策が大きな要因となっている。 一方、日本やオーストラリアではカード決済が依然として根強く、信頼性とポイント還元制度が支持の理由。また、香港、ベトナム、マレーシアでは現金決済が小規模店舗などでの利用が広く、完全なデジタル化には至っていない。 AI技術の導入も進んでおり、Visaは30億ドル以上をAI基盤のセキュリティツール「Visa Protect」に投資。不正検出やリアルタイム決済の安定化が進む。東南アジアの企業では2027年までにAI導入でコスト7~9%削減、売上9%増が見込まれるが、国ごとの採用ペースには差がみられる。 規制面でも進展があり、インドのUPI拡張、中国のe-CNY実証実験、インドネシアのQRIS統合などにより、国境を越えた決済連携が強化されている。こうした動きは地域間の商業活動を活性化させる。 報告書は、AIと規制が決済の未来を形作る上で中心的な役割を果たすと結論づけている。特に、モバイルウォレットの普及とAIの活用が、アジア太平洋地域の金融インフラの再構築を加速している。
