欧州宇宙機関とレイメトリクス、量子受信機開発でザイロスを選定
欧州宇宙機関(ESA)とレイメトリクス社が、英国の量子技術企業Xairos UK, Ltd.をサブコンサルタントとして選定した。このプロジェクトは、ESAのギリシャ接続回復・回復力プログラム(Greek Connectivity Recovery and Resilience Programme)に位置づけられ、ESAの「接続性と安全通信」部門が主導する「観測所から光学地上局への接続(Obs2OGS)」プロジェクトの一環である。 Xairosは、レイメトリクス社のプロジェクトチームに協力し、ギリシャの天文台を光学地上局(OGS)として機能させるための量子受信機の開発を担当する。この受信機により、ESAが開発中のEAGLE-1衛星から量子暗号鍵を地上に安全に伝送できるようになる。この技術は、高精度・高セキュリティな量子通信の基盤を構築するもので、ギリシャ国内の3か所の観測所——アテネ国立天文台(ヘロモス観測所)、テッサロニキ大学(ホロモンタス観測所)、FORTH(スカイナス観測所)——のうち1か所に導入される予定だ。 Xairosは、自社が独自に開発・特許取得した「量子時刻伝送(Quantum Time Transfer: QTT)」技術を活用。この技術は、グローバルな時間同期の信頼性とセキュリティを高め、次世代の位置・航法・時刻(PNT)インフラの基盤となる。交通網、金融取引、データセンター、電力網など、現代社会の基盤を支える時間同期の精度と安全性を飛躍的に向上させる。 レイメトリクスは、人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用した大気LIDAR技術の開発・製造で知られ、環境課題の解決に貢献している。ESAは、23の加盟国と4つの協力国を擁し、宇宙開発と技術革新を推進する国際機関として、欧州の宇宙能力の発展と、その成果が市民に還元される仕組みを重視している。 本プロジェクトは、量子通信の実用化と、欧州のセキュアな通信インフラの強化に向けた重要な一歩である。Xairosは、その技術的リーダーシップと実用化能力を発揮し、今後の宇宙・地上間量子通信の基盤を支える役割を果たす。
