Agentic AIが進化、ITの価値創造へ―Digitate調査でROI実証
デジテート(Digitate)が発表した最新調査報告書『Agentic AI and the Future of Enterprise IT』によると、北米の企業がエージェント型AI(Agentic AI)の導入を通じて、IT部門の役割をコストセンターからビジネス価値創出の基盤へと転換しつつある。同報告書は、2025年9月~10月にかけて米国・カナダの1,000人以上の従業員を抱える企業のIT意思決定者600人を対象に、サピオ・リサーチが実施。AIの導入は急速に進み、企業の成熟度が高まり、ROI(投資対効果)の実証も進んでいる。 主な成果として、74%の企業が生成AI(GenAI)を導入しており、44%がエージェント型AI、43%がエージェントベースAIを既に導入。平均で5種類のAIツールを活用。ITオペレーション(ITOps)がAI導入の中心で、78%が導入、そのうち65%が最大の効果を実感。ビジネスインテリジェンスやソフトウェア開発でも高い評価を得ている。特に、コスト最適化(65%)やプロアクティブな問題対応(55%)が今後の主要な活用シーンとなる見通し。 AIによる実績として、平均7160万ドルの投資に対して1億7500万ドルのROIを達成。精度向上(44%)、効率改善(43%)、データ管理強化(42%)が主なメリット。また、45%の企業がすでに準自律または完全自律の運用を実施しており、2030年には74%に達すると予測されている。 ただし、課題も顕在化。94%の企業がAIツールに課題を感じており、人間の介入(47%)、導入・運用コスト(42%)、継続的な監視が課題。スキル不足(33%)、予算不足(31%)も大きな壁。さらに、AIのコスト上昇(42%)がサイバーセキュリティ(49%)に次ぐ外部リスクとなっている。 報告書は、AIが人間の働きを補完する「協働型」であることを強調。67%がITOpsでエージェント型AIが最も有効と評価。62%は新機能への活用を期待し、25%しか「職務の置き換え」を予想していない。C-suiteはAIへの信頼度(96%)が高く、ROIの可視化に注力。一方、現場は効率と精度の向上に注力。この「戦略と現場の乖離」を解消するため、統合的な戦略が不可欠とされる。 デジテートのアヴィ・バガタニ氏は、「3年でAIは運用ツールから戦略的資産へと進化した。ITは今や企業の自律化を支える根幹となる」と指摘。今後の勝利は、自動化と人的補完のバランスを取れる組織にあると結論づけている。
