Tesla 決算で収益増、AI とロボット技術への投資を加速
テスラは 2026 年 4 月期の決算を発表し、売上高が前年同期比で 16%増の 224 億ドル、純利益は 17%増の 4.77 億ドルを記録しました。これは 2025 年同期の売上 193 億ドル、利益 4.09 億ドルからの伸長ですが、市場予想の 226.4 億ドルには届かず、売上面で決算を若干下回りました。この業績は、エロン・マスク氏が 1 兆ドル規模の AI およびロボット工学への転換を賭けて進めているプロジェクトの進展を浮き彫りにするものとなりました。 決算資料によると、テスラは 2026 年第 2 四半期から、初代「オプティマス」ロボットを年間 100 万台生産するための大規模工場の建設準備に着手すると発表しました。この生産ラインはフレモント工場の Model S と Model X のラインを置き換える形で構築され、2 世代目のラインはテキサス州のギガファクトリーにて年間 1,000 万台の生産能力を持つ設計で進められています。また、マスク氏が 1 月に「宇宙空間ベースの AI 計算」を目指す「Dojo 3」スーパーコンピュータの作業再開を宣言した件については、開発が継続されていることが確認されました。 車両販売については、2025 年 1 四半期の販売低迷が Model Y の刷新による生産停止や、マスク氏の政治的言動に起因する抗議活動などの特殊事情によるものであると分析されています。2026 年 1 四半期の販売数は前年同期比 6%増となりましたが、これは比較対象となる前年の数値が低く抑えられていたため、実態を正しく反映していない側面があります。一方、ダラスやヒューストンでのロボットタクシーサービスの開始や、欧州初の完全自律走行支援システム(FSD)承認(オランダ)といった進展もありましたが、車両不足や販売不振などの課題も残っています。特にサイバートラックの不振対策として、自社企業への販売が検討されるなど、テスラが従来の自動車販売よりも AI と二足歩行型ロボットの開発を優先戦略としている姿勢が明確です。実際、生産スペース確保のため Model S と Model X の製造は中止され、2 座席型の完全自律型車両「サイバーキャブ」のテスト走行も確認されています。 市場では自動車販売への関心が低下しているとの見方もありますが、依然として収益の大部分は車両販売に依存しており、マスク氏は以前白紙となった低価格 SUV の開発計画を再考しているという報道もあります。テスラは依然として自動車会社ですが、その本質的な方向性は AI とロボティクスへの完全転換へと向かっているのが実情です。
