筋信号で麻痺手の掴みを支援するソフトグローブ
慕尼黑工业大学(TUM)認知システム研究所は、手の麻痺による把持機能の喪失を補うソフト型空力手袋を開発した。本装置は前腕に貼付した筋電センサーが筋肉の電気信号を検知し、機械学習アルゴリズムで把持意図を97%の精度で予測する。信号が検出されると、手袋表面の13本のエアチューブが膨張し、各指の独立した屈伸や手首の回転を補助する。落下防止のため、モーションセンサーが移動中の握り姿勢を安定化させる。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者との共同開発により、親指の屈筋からの微弱な信号でも9割以上の確率で制御が可能であることを実証した。患者は4年ぶりにフォークを掴むことに成功し、わずか5分のトレーニングで把持能力が大幅に改善された。開発陣は低コストな生地の手縫い製造を実現し、高額化しやすい装着型リハビリ機器の普及障壁を低減した。 同装置は脳卒中後遺症や外傷による末梢神経損傷、多発性神経症に伴う弛緩性麻痺患者への適用が想定され、連携病院の神経内科医も臨床的ポテンシャルを高く評価する。本研究成果は学術誌『Nature Machine Intelligence』に掲載された。
