YouTubeが低解像度動画のAIアップスケーリングのオプトアウトを可能に、TV向けアップデートでAI処理とQRコードショッピング機能を導入
YouTubeは、テレビ画面での視聴体験を強化するための一連の新機能を発表した。主な内容は、AIを活用した動画の自動解像度アップスケーリング、ショッピング機能の強化、ビジュアルデザインの刷新、そして視聴者の利便性を高めるインターフェース改善である。特に注目されるのは、1080p未満(240p~720p)でアップロードされた動画をAIで自動的にHD、将来的には4Kにアップスケーリングする機能だ。YouTubeは、この処理が「オプトアウト可能」である点を強調しており、クリエイターはオリジナルの動画ファイルと元の解像度を完全に保持でき、視聴者も設定から「オリジナル解像度」で視聴できると説明している。この仕組みは、過去にプラットフォームが勝手に動画を加工し、画質が歪むなどの問題が発生したことを受けて、クリエイターの権利を尊重する姿勢を示すものだ。 また、動画のサムネイル容量制限を2MBから50MBに拡大し、4K解像度の高精細画像をサポート。一部のクリエイターに対しては、より大きな動画ファイルのアップロードもテスト中だ。ショッピング機能面では、TV画面で再生中の動画にタグ付けされた商品を、スマートフォンのQRコードスキャンで即座に購入できる仕組みが導入される。さらに、クリエイターが動画内の特定のタイミングに商品を挿入できる機能も開発中で、視聴者が興味を持った瞬間に商品にアクセスできる体験が実現する。 インターフェース面では、テレビ向けに「インマーシブなホーム画面プレビュー」が導入され、お気に入りのチャンネルをスムーズに切り替えられる。また、Netflix風の「ショー(Shows)」デザインにより、複数の動画を「シーズン」単位でまとめて配信するクリエイターのニーズに応え、一気見しやすい構成が可能になる。さらに、チャンネルページから検索する際、検索結果がプラットフォーム全体からではなく、そのチャンネル内の動画に限定され、関連性の高いコンテンツが優先表示されるなど、コンテキスト検索の精度も向上している。 これらの変更は、YouTubeがテレビ画面を「最も成長が速いプラットフォーム」と位置づけていることから来ている。高画質化やスマートフォンとの連携、視聴体験のシームレス化を推進することで、ユーザーがリビングのソファからも快適にコンテンツを楽しめる環境づくりを目指している。業界関係者は、こうした取り組みが、動画コンテンツの商業化と視聴者のエンゲージメント向上に寄与すると評価している。特に、クリエイターの自主性を尊重するオプトアウト設計は、信頼関係の構築に不可欠な要素として注目されている。
