マイクロソフト、新CEOがトップ人事を刷新 内部メモで明らかに
マイクロソフトの商業部門トップ、ジェイダン・アルトフ氏が、AIを軸とした企業変革を加速するため、組織体制を刷新した。この人事変更は、アルトフ氏自身が10月に商業部門CEOに昇格したことを背景に、同社のAI戦略をより迅速かつ効果的に実行するためのものだ。同氏は、CEOのサティア・ナデラ氏とエンジニアリングチームがAI開発に集中できるよう、経営リーダーシップの負担を軽減する狙いを明かしている。この動きは、「AIプラットフォームの地殻変動」と表現されるほど、同社のビジネスモデルそのものを再定義する重要な転換点と見られている。 人事変更の中心は、デブ・カップ氏の昇格だ。彼女は従来の「エンタープライズ部門の副社長兼最高営業責任者」から、新たに「グローバルエンタープライズ営業の最高営業責任者(CRO)」に就任。8年以上にわたりマイクロソフトに携わり、業界特化型クラウドサービスの開発に貢献してきた彼女は、同社の主要顧客や経営陣との戦略的関係構築を担う。アルトフ氏は、この人事を通じて「顧客の声」と「製品開発」のフィードバックループを最小限にし、急速に進むAI導入に対応できる体制を整えるとした。 また、マラ・アンドン氏が「最高顧客体験責任者(CCXO)」に任命され、業界ソリューション、カスタマーサクセス、サポートを統合。ニック・パーカー氏は「世界中営業・ソリューション部門の最高ビジネス責任者」に昇格し、エンタープライズ、業界、パートナー、デバイスの営業チームを統括。ラルフ・ハプター氏は「中小企業・チャネル部門の最高営業責任者」として、クラウドソリューションプロバイダーとの連携強化と「エージェンティックセリング」(AIを活用した販売戦略)の推進を担う。一方、キム・アーカーズ氏と竹内剛志氏は現職を継続し、アルトフ氏の直接報告体制に従う。 これらの変更は、「コホート型運営モデル」に基づくもので、エンジニアリング、マーケティング、営業、サービス、オペレーションが連携し、顧客の声を製品開発に即座に反映する仕組みを構築している。特に、Igniteカンファレンスを前に展開されたこのモデルは、「インテリジェンス+信頼」戦略やCopilot、IQプラットフォーム、Agent 365の開発を後押しした。アルトフ氏は、「顧客志向」と「One Microsoft」の価値を強化する中で、AIを基盤とする「フロンティアトランスフォーメーション」を全社で推進していくと述べている。 この人事刷新は、マイクロソフトがAI時代の競争で優位を保つための体制整備の象徴であり、顧客との密接な連携と意思決定の迅速化を重視する新たな経営姿勢を示している。
