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AI共感の評価は高いが人は人間の共感を選ぶ

ペンシルベニア州立大学心理学部のシー・ダリル・カメロン教授と大学院生のジョシュア・ウェンガー氏らは、人工知能による共感的応答に関する研究結果を心理学関連学術誌に発表した。孤独感の解消や会話相手として人工知能チャットボットを利用する人が増える中、人工知能の共感が人間関係を代替できるか検証した。 研究チームは「人工知能共感の選択逆説」と呼ぶ現象を確認した。参加者は、人工知能が生成した共感的応答を、人間が作成した応答より質が高く、聞き手に安心や承認を与えるものとして評価した。にもかかわらず、質が低くても人間からの共感を選ぶ人が多かった。人は内容の巧みさと、共感の送り手が人間であることの価値を別々に判断していると考えられる。 注目されるのは努力の知覚だ。従来の理論では、人間が感情資源を費やして共感することは、相手への重視を伝えるため重要とされる。一方、人工知能は客観的には努力を要さない。だが今回の研究では、人工知能の応答も人間より多くの努力が込められていると評価される傾向が確認された。努力の知覚が強いほど共感的だと感じやすいことも分かった。もっとも、努力と共感度の結び付きは人間でより強く、高努力では人間と人工知能の差が縮まった。 また、人工知能の利用頻度が高い人ほど人工知能の共感を望むとは限らなかった。比較対象には訓練を受けた危機対応専門家も含まれたが、その応答でも多くの場面で人工知能の共感の質に及ばなかったと報告された。専門家の応答は共感的だが、相手との関係性が欠ける点が背景にある可能性がある。カメロン教授らは、親しい人の不完全な共感でも人間関係に支えられる価値と、その場で必要な支援を受けたい場合の利便性との間に緊張関係があると指摘する。 研究は、人工知能の共感の将来像を人間との単純な代替ではなく、補完関係として示唆する。ウェンガー氏は、現実にはいつでも人間から共感を得られるとは限らず、人間が不在の状況で人工知能が補足的に機能を果たす可能性に言及した。孤独感や対人支援の不足が高まる時代において、人工知能は人間の共感を奪う存在ではなく、共感の受け手の経験をどう評価し、どのような文脈で組み合わせるかを考える必要があることを示した。

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