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大手ブランドがAI広告に反発、アナログの価値を訴える新潮流

大手ブランドがAIを「マーケティングツール」として使うのを避け、AI嫌いの消費者にアピールするキャンペーンを展開している。ニューヨークのApple店やGoogle本社近くのバス停広告では、「AIは足の間の砂を生成できない」「死の床で誰も『スマホで過ごした時間をもっと増やしたかった』とは言わない」といったコピーが目立つ。こうした広告は、アナログブランドのポラロイドが展開したもので、クリエイティブディレクターのパトリシア・バレラ氏は「アナログブランドだからこそ、この議論に参加できる立場にある」と語る。 他にも、ヒネケンは「友達を作る最良の方法はビールを飲むこと」というビッグボードでAIウェアラブル「フレンド」を風刺。アリーはAIを使わない広告を掲げ、Instagramで過去一年で最も人気の投稿となった。インドのカドベリー5スターやDCコミックスも、AI生成コンテンツに反発し、キャンペーンや方針を打ち出している。 この動きの背景には、AIに対する消費者の拒否反応がある。特にZ世代は、環境や精神的健康の観点からAIを敬遠する傾向が強まり、企業内でもAI導入への抵抗が広がっている。Pew調査によると、2024年時点で50%の米国人がAIの普及に「懸念」を抱いており、そのうち57%が社会的リスクを「高い」と評価。特に「人間のスキルやつながりが弱まる」という懸念が強い。 一方で、AI生成広告は「無機質」「感情を動かさない」と批判され、コカコーラやトイズ・アール・ユーズのAI広告は、人間の創造性を置き換える「空虚さ」が指摘された。H&MやスケッチャーズもAIモデルを起用したことで批判を受けた。 こうした中、アリーは「実在の人物のみを用いる」と明言。同社のマーケティング責任者ステーシー・マコーミック氏は、SNSのコメント欄でAI広告への反感が顕著に見られるとし、透明性の重視がブランド信頼につながると説明する。 広告効果の専門家も、AI広告は一時的に注目を引くが、感情的共感や信頼感は得にくく、特に人間の表情や動きに「わずかな違和感」が生じると指摘。ニューヨーク・IQの調査では、AI広告は記憶に残りにくく、人間の「本物感」を認識する能力が脳に強く働くことが明らかになった。 それでも、WPPやパブリス、オムニコムなどの広告大手はAIに巨額投資を続け、人間のクリエイティブを支援するツールとして位置づけている。だが、現時点では「本物」を訴えるブランドが消費者の共感を獲得しており、ポラロイドのバレラ氏は「人間らしさや不完全さこそ、私たちの本質。それを思い出させてあげたい」と語る。

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