中国科学院が「動く電極」NeuroWormを開発、脳機接続の新時代へ
中国科学院深圳先端技術研究院の研究チームが、脳機械インターフェース(BCI)分野に革命的な進展をもたらす「動的電極」の開発に成功した。従来の脳機械インターフェースでは、電極が生体組織に固定され、位置を変更できず、周囲の神経活動に応じた柔軟な対応が困難だった。また、生体の免疫反応により電極の伝導性能が低下する問題も長年の課題であった。 今回、研究チームは直径わずか196ミクロンの細さで、柔軟かつ伸縮可能な神経繊維電極「NeuroWorm(ニューロワーム)」を世界初で実現。この電極は、長さ方向に60の独立チャンネルを配置し、神経信号を高精度で収集可能。さらに、先端に微小な磁気制御ユニットを内蔵し、外部の高精度磁場制御システムとリアルタイム画像追跡技術を組み合わせることで、体内で自由に方向を変更し、目標領域を主動的に探索・監視できる。 実験では、ラットの頭蓋骨内および脚部の筋肉内にNeuroWormを長期植入。筋電位信号を43週以上にわたり安定して記録することに成功し、13か月後も周囲の組織にほとんど影響を与えない優れた生体適合性を確認。電極周囲の線維化層は平均23ミクロンと極めて薄く、細胞死の割合も正常組織と同等だった。 この成果により、従来の「固定型電極」から「動的・応答型電極」への転換が実現。外骨格制御や神経機能のリハビリテーション、日常的な人機協働などへの応用が期待される。研究は2024年9月17日に国際学術誌『ネイチャー』に掲載され、脳機械インターフェースの未来を切り開く重要な一歩となった。
