中国、Nvidia AIチップ輸入を全面禁止 H20やRTX 6000Dの検査強化、海関が摘発チームを展開
中国がNvidiaのAIチップ輸入を厳しく監視する対応を強化している。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が10月9日報じたところによると、中国の税関当局は主要港に監視チームを展開し、データセンター向けハードウェアの検査を開始。特に、米国輸出規制を回避する形で開発されたNvidiaのH20とRTX 6000Dに焦点を当てており、不正な輸入や密輸の防止を目的としている。この取り組みは、サイバースペース管理局(CAC)が主導し、税関当局が協力して実施されている。 当初はH20とRTX 6000Dに限られていたが、その後「すべての高度な半導体製品」への対象拡大が行われており、輸入全体にわたる監視が強化されている。当局は、米国製チップの違法な国内流入を防ぐことを目的としている。Nvidiaはトムズ・ハードウェアの取材に対し、コメントを控えた。 H20への注目は特に顕著だ。昨年発表されたこのチップは、米国の輸出制限を回避するための設計であり、中国のサーバーOEMメーカーへの出荷が最近本格化していた。しかし、9月中旬に字節跳動(ByteDance)やアリババなど大手企業に対し、H20の追加注文を停止するよう指示があったとされ、現在の出荷は大幅に遅延または停止の可能性が高い。 一方で、中国の国内半導体開発は着実に進んでいるものの、HBMメモリ供給やファブ(製造工場)のキャパシティに課題が残っており、実用化にはまだ時間が必要だ。このため、データセンター運営企業は、輸入チップの到着遅延と、国内製チップの導入遅れという二面的な課題に直面している。中国の半導体自立への取り組みは進むが、現段階では技術的・供給面での課題が依然として深刻である。
