メタ、AI エージェントへの投資を強化:ヒューゴ・バラがドリーマーチームを引き連れて復帰
同社は今回、Facebook 時代に仮想現実(VR)事業を担当していた元執行役員であるヒューゴ・バラを再登用した。今回のバラの復帰は、単なる個人の役割変更を示すだけでなく、メタが VR から人工知能(AI)への戦略的重心の移行を反映している。 バらは、2024 年に共同創業したスタートアップ企業「ドリーマー」のチームと共に合流する。ドリーマーはこのほど核となる製品のベータ版を発表し、「新しいオペレーティングシステム」として AI エージェントおよびエージェント向けアプリケーションを対象としたプラットフォーム構築を目指している。このチームの中核メンバーには、以前ストライプで技術責任者を務めたデヴィッド・シングルトン氏や、フィグマの上級デザインディレクターを務めていたニコラス・ジトコフ氏が含まれる。 スケール AI に対する投資と同様に、メタはドリーマーを直接的に買収するのではなく、技術ライセンス供与を通じてそのチームを取り込んだ。スケール AI の元 CEO アリクサンダー・ワン氏はすでにメタに参加しており、スーパーインテリジェンスラボスを担当している。 AI を巡る競争が激化する中、メタは今年度、資本支出を最大 1350 億ドルまで引き上げる計画であり、これは主に AI インフラ基盤の整備に向けられる予定だ。しかし、基礎モデル分野では依然としてオープンエーアイ、アンソロピック、Google などの競合他社に遅れを取っており、自社の Llama 4 シリーズも当初期待されたほどの影響力を発揮できていないのが実情だ。 AI エージェントは現在、業界で最も注目される方向性の一つへと急速に変化しつつある。開発者は次世代ツールを活用し、ソフトウェアが複雑な任務を自律的に遂行できる能力を獲得しようとしている。例えば OpenClaw といったフレームワークは既に複数のデバイス間や複数アプリ間で AI エージェントを調整することをサポートしており、次世代計算プラットフォームの萌芽を示唆している。 メタも一連の動きによってこの市場での地位確保を図っている。同社はこれまで AI エージェント向けのソーシャルプラットフォーム「モルトブック」を買収し、さらにエンタープライズ向けエージェント企業のマネウスに対して 20 億ドルを出資して獲得した。ドリーマーを加えることで、メタは消費者層から企業、そしてプラットフォーム層に至るまでの AI エージェント生態系の構築を進めている。 一方、メタは徐々に VR ビジネスからの撤退感を強めている。同社は直近、Reality ラボス部門において約 10% の人員削減を実施しており、これにより Quest ヘッドセットや Horizon Worlds などのプロジェクトに影響が出ている。社内資源は AI グラスウェアおよびウェアラブル機器へシフトしつつある。 2017 年にバらがメタに加わった際、CEO マーク・ザッカーバーグ氏は VR を次世代計算プラットフォームと位置づけていた。しかし今や、その役割は AI エージェントにとって代わりつつある。 ドリーマーの共同創業者であるシングルトン氏の言葉によれば、将来のビジョンとはこうだ。「十数億人がソフトウェアを作成し、それを用いて生活の質を向上させる力を手にすること」。
