オーストラリアで稼働開始の主権型AIスーパycluster、SHARON AIとVAST Dataが共同で実現
オーストラリアのAIクラウド企業SHARON AIは、NEXTDCのメルボルンにあるTier IVデータセンターに「ソバーレン超クラスタ」を稼働させ、VAST DataのAI基盤「InsightEngine」を統合した。この新インフラは、金融機関や公共部門など規制の厳しい分野向けに、安全かつコンプライアンス対応の本格的なAI推論環境を提供する。InsightEngineは、構造化・非構造化・ストリーミングデータをリアルタイムで取り込み、ベクター検索やハイブリッド検索を並列かつ低遅延で実行するエンドツーエンドシステム。AIオペレーティングシステムとして統合され、アクセス制御、暗号化、監査追跡を統一的に管理する。 SHARON AIのCEO、ウルフ・シューベルト氏は、「国境内にデータを留めながら、安全で高性能なAIワークロードを実行できる基盤を構築した」と強調。この超クラスタは、金融分野での大規模RAG(Retrieval-Augmented Generation)や、スマートシティにおける動画データのリアルタイム分析など、実運用に即したAI活用を可能にする。 現在、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究者らが、GPU加速型モデルの微調整や推論性能の向上に向けた研究を実施。専門的なファインチューニング技術の開発を通じ、科学、予測、AI評価など多分野での効率的で高精度なAIモデルの実現を目指している。 VAST DataのAIソリューション責任者オフィル・ザン氏は、「AIが進化する中で、大規模データセットをリアルタイムで安全に推論できる能力が、次世代の企業知能の鍵となる」と指摘。両社の提携により、データパイプラインとAIワークフローを連携させ、複雑な多段階の検索・推論処理を、完全な国境内環境で実行できる基盤が整った。 今回の発表は、オーストラリアにおけるAIの自律性と安全性を両立させる「ソバーレンAIインフラ」の構築に向けた重要な一歩である。
