メタ、社内AIトークン支出に上限設定
メタは2026年6月、社内AI利用コストが数千億ドル規模に達する懸念を受け、従業員約6000人へ利用制限強化の方針を通知した。従業員は過去30日間で73.7兆トークンを消費しており、内部リーダーボード「Claudeonomics」により追跡されていた。消費量ランキングは生産性向上ではなく利用量の肥大化を促す「トークン最大主義」を助長し、コスト管理の不透明さを顕在化させた。 アンドリュー・ボスワースCTOは追加メモで「すべての活動が進展を意味するわけではない」「トークン使用量そのものが影響度を測る指標にはならない」と指摘。メタは今後、支出管理を一元化する「AIゲートウェイ」ダッシュボードを導入し、2027年からは公式なトークン予算管理制度を本格稼働させる。Anthropic社Claudeなどの外部ツール利用を抑制し、自社製コードアシスタント「MetaCode」への移行を促進する。これは外部APIコスト削減と自社AI検証を両立する戦略だ。 同社動向はIT業界全体のAIコストガバナンス転換点を示す。ウーバーは2026年予算を4ヶ月で消費し尽くしたため月額制限を導入した。KPMG調査ではAI支出を把握できる企業が26%にとどまり、ゴールドマン・サックスは2030年の月間トークン消費量が120京に増加すると予測する。OpenAIのサム・アルトマンCEOも支出対効果の課題を認めている。 市場面ではメタ株は6月13日に約567ドルで取引され、時価総額は約1兆4000億ドル水準にある。株価は52週高値から後退しており、投資家は巨額のAIインフラ投資に対しコスト最適化を求めている。大規模資本支出とは別に運用コスト層としてのトークン費用を管理対象に組み込んだ点は注目される。 AIゲートウェイは近々段階的導入され、2027年初頭には完全稼働する見込みだ。無制限アクセスから従量課金制への移行は社内文化の転換を意味する。メタは採用指標と生産性向上の乖離に直面しており、トークンガバナンスが支出効率改善に直結するか、AI統合のペースを阻害するかが今後の焦点となる。
