Oracle、AIインフラ投資で株価急落 新経営陣が直面する信頼の危機
Oracleの株価が2001年以来の最悪の四半期入りの危機に直面している。新CEOのクレイ・マゴイヤークとマイク・シシリアが就任してわずか3か月で、株価はこの四半期に30%下落。残り4取引日を残す段階で、過去20年間で最も深刻な暴落とみられる。その背景には、同社がチャットGPT運営元のOpenAI向けに大量のサーバー施設を構築する計画があるが、その実行が不透明になったことにある。9月に締結された3000億ドル超の契約は当初、株価を36%押し上げ、345.72ドルの出来高記録を更新した。しかし、12月上旬の決算発表で収益と自由キャッシュフローが予想を下回り、株価は197.49ドルまで下落。前高比で43%の損失を記録した。 新財務責任者であるダグ・ケーリング氏は、2026年度の資本支出を500億ドルに引き上げる計画を発表。これは9月の計画比43%増、前年比2倍に相当する。さらに2480億ドルのリース契約を含むクラウド拡張計画も進行中。こうした巨額投資には巨額の債務を要するが、9月に180億ドルの債券発行を実施。一部投資家は、既に投資格付に近い状態のOracleが、これ以上負債を抱えることで格付け引き下げのリスクを高めると懸念し、信用デフォルトスワップ(CDS)の価格を押し上げている。 分析機関DA Davidsonは、OpenAIとの契約の見直しが必要になる可能性を指摘。同社は「ホールド」評価を維持。一方、ウェルズ・ファーゴのマイケル・トゥリン氏は「買い」評価を付け、2029年までにOpenAI関連が収益の3分の1以上を占める可能性を示唆。しかし、同社はアマゾン、マイクロソフト、グーグルに大きく遅れをとるクラウド市場でのシェア拡大が課題。データ処理プラットフォームのDatabricksやSnowflakeは、Oracleクラウドへの対応をまだ実施していない。DatabricksCEOは「顧客が強く要望しない限り、移行は進まない」と述べ、市場の信頼獲得が鍵と指摘。 新経営陣は2030年度に2250億ドルの売上を目指すが、AIインフラ投資のための利益率低下(2030年には粗利益率49%に低下)と、5年間で340億ドルの自由キャッシュフローの赤字が見込まれる。投資家は「4~5年は長すぎる」とし、戦略の実行可能性に疑問を呈している。トゥリン氏は、AI基盤の成功が同社の市場信頼回復のカギになると強調。Oracleが世界最大のAI学習クラスタの構築を成功させれば、顧客の注目も集まる可能性がある。
