AIで高精度・高効率に分蘖数と株型を計測——中科学院が新モデルTillerPETを開発
中国科学院遺伝学と発育生物学研究所らの研究チームは、稲の分蘖数と株型の緊密度といった生育形態特性を高効率に取得するためのAIモデル「TillerPET」を開発し、成果を発表した。分蘖数と株型の緊密度は、穂数や集団密度、最終的な収量形成に大きく影響する重要な形態的特徴であるが、従来の田間測定では、生育中の遮蔽や光の不均一、そして人為測定の低効率といった課題が存在していた。さらに、自動化手法の多くは高コストなハードウェアや複雑な処理プロセスを要し、高通量解析の実現が困難だった。 今回、研究チームは多年多地点にわたる稲のRGB画像データセットを活用し、点照合型Transformerアーキテクチャを基盤とするTillerPETモデルを構築。このモデルは、深度情報に基づく稲の領域抽出モジュールを導入し、軽量な特徴抽出機構を採用することで、従来のネットワーク構造を簡素化。これにより、計算量を大幅に削減しつつ、性能の向上を実現した。 評価結果では、TillerPETは稲の分蘖数の推定においてR²が0.941に達し、株型の緊密度測定ではR²が0.978と高い精度を示した。また、得られた分蘖と株型の特徴を用いて、異なる遺伝的背景を持つ稲品種の識別分類も可能となった。この高精度な多地点データは、株型改良育種のための強力なデータ基盤となる。 研究成果は、『作物学報』(The Crop Journal)に掲載され、国家自然科学基金および湖北省自然科学基金の支援を受けて実施された。本研究は、AIを活用した農業形態解析の実用化に向けた重要な一歩と評価されている。
