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AIが600万化合物から耐性淋病新薬候補2件発見

淋球菌による感染症は多剤耐性の急速な進歩により治療が困難化しており、既存の新規抗生物質も長期的な耐性化が懸念されている。ハーバード大学ウィス研究所とMITのジェームズ・コリンズ教授らを主体とした研究チームは、深層学習を活用した抗生物質発見パイプラインを構築し、多剤耐性淋球菌に対する2つの新規候補化合物の同定に成功したと、2026年にScience Translational Medicineで発表した。 同チームはまず3万8650種類の小分子でモデルを学習させ、既存薬と異なる化学構造を持つ抗菌分子の予測精度を検証した。信頼性を確立した後、約600万種類の化合物ライブラリからスクリーニングを実施。生長抑制効果と細胞毒性を評価した結果、213候補から活性と選択性に優れた2つの化合物が導出された。 最も有望な候補A1はアミノチアゾール誘導体であり、プロテオーム解析により従来の抗生物質とは異なる作用機序を特定した。同化合物は淋球菌の細胞壁合成に不可欠なアラニンラッカーゼ酵素に特異的に結合し、阻害することが証明された。候補MP20については、ヒト膣上皮細胞を模したOrgan Chipモデルでの試験において、病原体の増殖が有意に抑制された。マウスの膣感染モデルにおいても、A1の短期間複数回投与により病原体濃度が大幅に低下した。 本研究成果は、AIと生体模倣モデルを統合した創薬プロセスの有効性を実証した。コリンズ教授は超大型化学空間の探索において従来不可能だった新規構造の発見を可能にし、アナハト博士は候補化合物の薬効化学的最適化を経て臨床応用へと導く必要があると指摘する。同パイプラインは将来の耐性菌対策における抗生物質開発の新たな標準枠組みとなる可能性を秘めている。

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