TikTok、AIによる自動モデレーションへ転換で数百人削減へ
TikTokがAIを活用したコンテンツモデレーションへの移行を加速し、英国およびアジア地域の数百人の人間モデレーターを削減した。中国系テクノロジー企業は、今回の人員削減に伴い、条件を満たせば再雇用の優先権を提供すると発表したが、具体的な人数は明らかにされていない。米ウォールストリート・ジャーナルによると、英国の2,500人規模のチームから複数の人員が削減された。BBCは、この動きが労働組合やオンライン安全団体から批判を受けていると報じた。通信労働者組合(CWU)のジョン・チャドフィールド氏は、「TikTokは企業の利益を優先し、労働者と一般ユーザーの安全を軽視している」と非難。また、「人間のモデレーターが長年、AIの不十分な代替策による実際のリスクを警告してきた」と指摘した。 一方、TikTokはAIを活用することで、より効率的かつ安全な運営を実現していると主張。同社は「信頼と安全(Trust and Safety)」のグローバル運営モデルを強化するため、昨年から再編を進め、モジュールを少数の拠点に集約していると説明。AI技術の導入は数年間にわたり継続的に検証され、コンテンツの自動検出・削除において「効果とスピードの最大化」を実現しているとしている。同社は、AIが不正コンテンツの約85%を自動で除去していると発表したが、その根拠は公表されていない。 英国では、TikTokのデータ取り扱いとユーザー保護が懸念されており、情報委員会(ICO)が3月に13~17歳のユーザー情報の利用を調査。7月に施行された「オンライン安全法(UK Online Safety Act)」により、違反時の罰則が最大10%の世界売上高にまで引き上げられたことも背景にある。TikTokは、こうした新たな規制に対応するため、AIの活用をさらに進める必要があると説明している。 ただし、労働組合はAIの未熟さが脆弱なユーザーに危険をもたらす可能性があると警鐘を鳴らしており、人間の監視の役割が依然として不可欠であるとの声が高まっている。
