マイクロソフト、AI戦略の中枢を握る16人体制を明らかに——ナデラCEOの人事再編の全貌
マイクロソフトのサトヤ・ナデラCEOは、AI時代への転換を会社の50年史で最も重要なターニングポイントと位置づけ、トップ経営陣の再編を進めており、その中心にいるのは16人の直接報告者たちだ。内部文書とリークされた組織図から明らかになったのは、ナデラがAI競争に勝つため、各部門の責任者を明確に再配置し、戦略的リーダーシップを強化していることだ。 主な幹部は以下の通り。ブレッド・スミス氏(副会長・社長)は、政府関係、法務、企業責任を統括するCELA部門を率い、AIやサイバーセキュリティ、データプライバシーなど政策課題で企業の「国家的顔」としての役割を果たしている。キービン・スコット氏(CTO)はAI戦略の主導者で、2017年からAI分野に注力し、OpenAIへの初期投資を主導。テイシ・ヌモト氏(CMO)はグローバルマーケティングを担い、新ビジネスモデルの構築に貢献。ジャドソン・アルトフ氏(商業部門CEO)は、販売・マーケティング・オペレーションを統合し、エンジニアリングチームのAI開発に集中できる体制を整えた。 カロリーナ・ディーベック・ハッペ氏(COO)は2024年8月に新設の役職で入社。AIへの変革を推進。アミ・フード氏(CFO)は349億ドルのAIインフラ投資を管理し、2026年度は「大胆な実行」を求める姿勢を示している。スコット・ガスリー氏(クラウド+AI部門)はAzureを率いる要人物。レジェシュ・ジャ氏(エクスペリエンス&デバイス)はOffice、Windows、Teamsを統括し、クラウドからAIへの移行を牽引。 新しいAI部門の責任者として、マスタファ・スリーマン氏(AI部門CEO)はCopilotやBingのAI開発を担当。超知能研究チームの設立も発表。ジェイ・パリック氏(CoreAI)は新設のAI開発ユニットを率い、GitHubの刷新や開発者向けAIエージェントの強化を進めている。チャーリー・ベル氏(セキュリティ)は200億ドル規模のセキュリティ組織を指揮。2023年には中国のハッカーによる大規模な不正アクセスが発生し、同社のセキュリティ体制に課題が浮上した。 また、リーダーシップの再編は、ゲーム部門のフィル・スペンサー氏(ゲームCEO)の直接報告者化、リーダーシップの拡大(リーダー・リーダー)も含む。2020年からリーダーのリーダーシップを担うリーダー・ロスランスキー氏は、OutlookやWord、365 Copilotの統括を任された。 この組織再編は、AIの「インフラ構築」「開発者支援」「セキュリティ」「企業文化」の4本柱に集約され、ナデラの「AIの波を定義し、すべての顧客が成功できるようにする」というビジョンを実現するための戦略的布陣である。
