Google、軽量多モーダル埋め込みモデル「EmbeddingGemma 2」公開
グーグルは本日、高品質なテキスト埋め込みモデルとして昨年から提供していたEmbeddingGemmaの後継となるマルチモーダル埋め込みモデルEmbeddingGemma 2を正式に公開した。同モデルはGemma 2アーキテクチャを基盤とし、商用利用が可能なApache 2.0ライセンスの下で配布される。開発コミュニティから2,000万回以上のダウンロードを集めた前作の成功を受け、テキストのみに留まらずコード、画像、動画、音声の全データを統一された埋め込み空間で処理可能に拡張した。 パラメータ数は7億4,000万規模に最適化され、エッジデバイスやスマートフォン上でのリアルタイム推論を前提に設計されている。テキスト専用では2億7,000万パラメータで動作し、必要に応じてビジョンエンコーダーとオーディオエンコーダーを追加することでフルマルチモーダル対応を実現するモジュール型アーキテクチャを採用している。コンテキスト窓は前作の4倍となる8,000トークンをサポートし、音声では約5分半、画像では29枚、動画フレームは58枚を直接処理できる。 性能面では、10億パラメータ未満のマルチモーダル埋め込みモデルとして業界最高水準のスコアを達成。特にコード処理性能はベンチマークで前作比約10ポイント向上し、ローカルコードベースのインデックス化やセマンティック検索、コーディングエージェントの検索支援に適する。また、Matryoshka Representation Learning技術を採用し、出力ベクトルを768次元から512、256、128次元へと動的に切り捨てることで、ローカルベクトルデータベースにおけるストレージ消費量を最大6分の1に削減可能である。実機動作環境では、Google Pixel 11 Pro上でテキスト専用時のメモリ使用量が約191MB、フルマルチモーダル時でも約567MBで動作するなど、極めて限られたリソース環境での稼働を可能にした。 同モデルは既存のGemini埋め込みモデルと同等の技術を転用しており、マルチモーダルRAGパイプラインやプライバシー重視のオンデバイス検索基盤の構築を支援する。Google AI EdgeチームはLiteRTとの連携を通じた開発ガイドを公開しており、開発者は限られた計算資源でも高品質なマルチモーダル検索システムを迅速に実装できる。この公開により、端末内処理を前提とした次世代AIアプリケーションの標準基盤としての普及が加速することが期待される。
