OpenAI、ChatGPTでAI駆動型ショッピングを実現へ エコシステムが本格稼働
OpenAIは11月の開発者カンファレンス「Dev Day」で、ChatGPTにアプリ連携機能を統合する戦略を発表した。この新機能により、SpotifyやFigmaといったサービスをChatGPT内から直接呼び出したり、操作したりできるようになる。これにより、ユーザーはチャットインターフェースのまま情報検索や複数の操作を実行でき、AIファーストのインターネットの姿が現実味を帯びてきた。 特に注目すべきは、同社が先週発表した「Instant Checkout」だ。これは、Shopify、Etsy、Stripeなどで販売する店舗に対応する、AIによるワンタイム決済インフラ。ユーザーはChatGPT上で買い物を完結でき、開発者は独自のインターフェースをChatGPTに組み込むことが可能。これにより、OpenAIは単なるAIツールではなく、買い物のプラットフォームとしての役割を果たす準備を整えた。 その実現範囲は広大だ。Uberでタクシーを呼ぶ、Expediaで旅行を予約、Thumbtackで水道工事や鍵屋を手配、InstacartやDoorDashで食料品や外食を注文、Targetで家電を購入――これらすべてがChatGPT内で可能になる。ユーザーの余剰支出のほとんどをカバーする「スーパー・アグリゲーター」としての可能性を秘める。 収益面では、アプリストアのように取引手数料を得られる構造が想定されており、ユーザーの購買データを活用した商品推薦も行うため、OpenAIは小売業者との力関係を大きくひっくり返す可能性がある。ベン・トンプソンの言葉を借りれば、ChatGPTは「消費者の入口」として、巨大な商業フローを掌握する。 他社も同様の動きを見せている。Adobeは、今年のホリデーシーズンはAIアシスタントによる買い物が主流になると予測。Mastercardは「エージェント型商業」を新たな競争の場と位置づけている。GoogleもAP2と呼ばれる同様のプロトコルを発表しているが、OpenAIの進捗に比べて勢いに欠ける。 AIによる買い物の本質は、単なる検索を超えて、自動的に購入を実行する「エージェント主導の取引」も可能になる点にある。たとえば、コンサートチケットの発売や、航空券の価格下落を検知して自動購入するといった使い方が想定される。さらに、価格交渉や商品のバンドルもAI同士で行う可能性がある。 しかし最大の課題は、ユーザーの受容度だ。現時点では、ユーザーはAIによる買い物にまだ熱心ではない。だが、まだ本格的なサービスが提供されていないため、実際の反応は今後数か月後に明らかになる。OpenAIの新たなビジネスモデルが成功するか否か、その鍵はユーザーの行動にかかっている。
