テスラ、ロボタクシーの全国展開へ10州で急増する採用活動
テスラが2025年末までに10都市でロボタクシー(自律走行タクシー)サービスを開始するというエロン・マスク氏の目標に向け、全米各地で人材を急ピッチで採用している。マスク氏は、テスラの価値は大規模な自律走行技術の実現にかかっていると繰り返しており、今年末までにサンフランシスコやオースティンに続き、ラスベガス、フェニックス、ダラス、ヒューストン、マイアミなど複数の都市での展開を目指している。11月初旬時点で、オーランド、ターマ、ラスベガスなど10州以上の10数都市で、車両メンテナンス、物流管理、事故対応担当者など40件以上のロボタクシー関連の求人を掲載。オースティンでは現地の車両オペレーターと現場対応専門家を、サンフランシスコではAutopilot開発エンジニアを継続採用している。 また、運行中の事故報告や保険請求処理を担う「ロボタクシー保険請求専門家」の求人も出ている。これらの採用活動は、マスク氏が「ハイパーローエクスポネンシャルな速度」で拡大すると予言するロボタクシー戦略の具現化を示している。同社は2021年から「Project Rodeo」と呼ばれる計画で、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、デトロイトなど主要都市でテストドライバーを派遣し、自律走行ソフトの訓練を進めてきた。 一方で、規制の壁は依然として大きな課題だ。米国では連邦レベルの自律走行車規制がなく、各州が独自のルールを設けている。カリフォルニア州は最も厳しい規制を有し、商用運行の許可には複数の認可と段階的な試験を経る必要がある。テスラは現在、安全運転手を乗せたテスト運行の許可は持っているが、商用運行の許可申請はまだ提出していない。テキサス州は規制が緩く、2026年5月28日から商用運行の許可申請が可能になる予定。ネバダ州やフロリダ州も保険証明の提出が義務付けられている。 現時点ではオースティンのサービスも安全運転手を同乗させた形で運行中。カリフォルニア州では、ドライバー付きの「非自律走行車」での乗客輸送は許可されているが、完全自律走行の商用化はまだ先。マスク氏は「これは衝撃波のように広がる」と楽観的に語っているが、実際の展開には規制対応と技術の信頼性が鍵となる。
