テスラ、自動運転とロボットへ転換へ本格移行 車両販売からサービスビジネスへ
エロン・マスク氏が長年主張してきたように、テスラは今や自動車メーカーではなく、テクノロジー企業へと本格的に転換しつつある。最新の決算発表で、同社はモデルSとXの生産を終了し、生産ラインを人型ロボット「オプティマス」の製造に切り替える方針を明らかにした。これは、マスク氏が掲げる自動運転車とロボティクスへの戦略的シフトの象徴的な一歩だ。また、マスクが設立したAIスタートアップ「xAI」に20億ドルを投資する契約を締結し、AI分野での協業も検討している。 財務面では、2025年はテスラにとって厳しい年となった。売上高が初めて前年比で減少し、利益は46%減。EV販売収益も四半期ベースで11%減少。こうした中、マスク氏は「将来的には走行距離の95%以上が自動運転になる」と述べ、伝統的な運転手による走行は1%程度にまで縮小すると予測。投資家はこのビジョンに共感し、決算発表後の株価は3%上昇した。 テスラの戦略転換は、自動運転ソフトウェア「フルセルフドライビング(FSD)」のビジネスモデル刷新にも現れている。従来の8,000ドルの一括購入オプションを廃止し、月額99ドルのサブスクリプション制に移行。さらに、無料で搭載されていた基本版「オートパイロット」も廃止され、制限付きのクルーズコントロールに置き換えられた。この動きは、テスラが「サービス型企業」へと進化している証左であり、FSDのサブスクリプション数を2035年までに1,000万件に達成させるというマスク氏の1兆ドル報酬プランの達成にも直結する。 最も注目されるのは、4月に生産を開始する「サイバーカブ」――ペダルやステアリングホイールのない専用ロボタクシー。現在はテキサス州オースティンで限定的に無人運転の公道走行を実施しており、約50台が稼働。マスク氏は年内に米国で25~50%の地域に展開する予定と表明。アナリストらは、本格的な収益化は2027年以降になると見ている。 ロボティクスと自動運転がテスラの将来価値の90%以上を占めるという見方が広がる中、同社は今後20億ドル以上をAIインフラと新工場に投じる計画。一方で、EV事業は中国メーカーとの競争激化や米国での補助金終了により、市場シェアを失いつつある。自動車は「レガシープロダクト」として位置づけられ、テスラの未来はソフトウェアとサービスにかかっている。
