スターバックス ChatGPT アプリで注文、コーヒー惨事
スタバと ChatGPT の連携アプリは、注文体験において大きな混乱を招いた。利用者は「@スターバックス」と入力して注文を試みたが、単純な注文ですら複雑な手順が必要となった。例えば、「ベンティのアイスコーヒーにスキムミルクを少し」という簡単なリクエストに対し、AI はまず説明を返した上で、メニューから選択し、サイズやトッピングを手動で調整する必要があるポップアップ画面へ誘導する仕組みだった。この一連の手順は、従来のスタバ公式アプリでタップ数回で完了する注文に比べ、遥かに時間がかかった。さらに、家族の飲み物「フルーツティー」を指定した際も、AI は正確な商品名(パッションタンゴティー)を認識できず、再度の手動選択を迫った。 利用者は無料版のメッセージ制限に遭遇し、数時間後に処理能力が低下するモデルに強制移行させられる事態となった。決済画面では、AI がユーザーの現在地を誤って把握し、数十キロ離れた店舗を提案した。地図で位置を変更しようとした際もエラーが発生し、注文は完了しなかった。結局、AI は直接注文やカートへの追加が不可であることを認め、代わりに公式アプリの使い方を案内するのみであった。これは、利用者の体験を向上させるどころか、単なる会話型のインターフェースが実用的でないことを示唆している。 スターバックスは、AI によって服の色に合ったドリンクを提案するなど、より創造的な利用を想定しているようだが、一般的な消費者にとって飲物を選ぶのは日常的な行為であり、創造的な対話の場ではない。消費者の本当の期待は、アシスタントが過去の注文履歴を学習し、注文場所も特定して自動的に実行することである。過去には Google アシスタントや Alexa が同様の試みを行ったが、複雑な会話形式による注文プロセスは、効率的な取引を阻害する要因となっている。AI による自動化の理想は、ユーザーが「コーヒーを注文して」と一言言うだけで完了する単純かつ迅速なシステムにあるべきであり、現在の ChatGPT 連携のような対話型アプローチは、その夢を叶えるには程遠い現実を示している。
