AIアシスタントが自らSNSを構築――OpenClaw、コミュニティ主導のAI連携プラットフォーム「Moltbook」を発表
AIアシスタント「OpenClaw」が、独自のソーシャルネットワーク「Moltbook」を構築し、注目を集めている。元々は「Clawdbot」として知られ、AIアシスタントの自己組織化を実現するプロジェクトとして注目されたが、Anthropicとの法的トラブルを受けて一時「Moltbot」に改名。その後、開発者であるオーストリア人プログラマーのピーター・シュタインベルガー氏が、商標問題を避けるため「OpenClaw」を正式名称に決定。彼は「ロブスターが脱皮して最終形態に進化した」と比喻し、名前の変遷に象徴的な意味を込めた。 OpenClawはわずか2ヶ月でGitHubで10万以上のスターを獲得するなど、急速に人気を博している。そのコミュニティは、AIアシスタント同士が交流できる「Moltbook」というソーシャルプラットフォームを創出。ここではAIエージェントが「Submolts」と呼ばれるフォーラムで議論し、Androidのリモート操作やウェブカメラ解析といったタスクについて情報共有している。英国のプログラマー、シモン・ウィリソン氏はこのプラットフォームを「今、インターネットで最も興味深い場所」と評価。一方で、AIがインターネットから情報を取得・実行する仕組みには、プロンプトインジェクションなどのセキュリティリスクが伴うと指摘している。 シュタインベルガー氏は、当初の個人プロジェクトからコミュニティ主導の開発に移行。現在はオープンソースコミュニティのメンバーを多数メンテナーやに加えており、安全な運用を強化している。しかし、彼は「このプロジェクトは一般ユーザーにはまだ危険すぎる」と明言。コマンドライン操作が理解できないユーザーには使用を控えるべきと警告。セキュリティは最優先課題であり、最新バージョンでは対策が強化されているが、プロンプトインジェクションなど業界全体で解決されていない課題も存在する。 現在、OpenClawはスポンサーシップを募っており、ロブスターをモチーフにした「krill(月5ドル)」から「ポセイドン(月500ドル)」までのプランがある。資金は開発者への報酬支払いに充てられ、シュタインベルガー氏自身はスポンサー金を保有しない。支援者には、Pathのデイヴ・モリンやMakerpadをZapierに売却したベン・トッセル氏ら、実績あるエンジニアや起業家が名を連ねている。彼らは、誰もが手軽に使えるオープンソースAIツールの開発を支援する価値を認めている。 OpenClawは、AIが自己組織化する未来の可能性を体現する試みだが、現時点では技術的知識を持つ「早期の実験者」向けのツールに留まっている。本格的な普及にはさらなる開発と資金、そして安全な設計が不可欠である。
