MIT博士ら、マルチモーダルAI推論加速ベンチャー設立
麻省理工学院(MIT)の韓松教授研究室出身の李沐陽氏が、カーネギーメロン大学(CMU)の朱俊彦氏らと共同で、マルチモーダル生成AIの推論高速化を専門とするスタートアップ「Nunchux AI」を設立した。李氏は過去7年間にわたり、生成モデルの実用化に向けて、推論速度の向上、ランニングコストの削減、出力の信頼性確保を技術的主軸として追求してきた。同社の開発基盤は、大規模拡散モデルの分散推論とメモリ最適化を実現するオープンソースエンジン「Nunchaku」、およびW4A4量子化フレームワーク「SVDQuant」に依存している。これらの研究成果を商業サービスへ昇華するため、30種以上の画像・動画・仮想キャラクターモデルを統合したAPIプラットフォーム「Modelverse」をリリースした。同サービスは処理速度を優先する「Radical Speed」とコスト効率を重視する「Radical Value」の2モードを提供し、開発者の実装負荷を大幅に軽減する。資金面では、Emergence CapitalやMITメディアラボ系ファンドのE14基金などからシードラウンドで資金調達を実施済みであり、金額は非公表。既存の推論プラットフォーム市場では、fal.aiやReplicateなどが競争を繰り広げる中、Nunchux AIはアルゴリズム量子化から推論カーネル最適化までの垂直統合による低遅延・低コスト実現を差別化戦略として打ち出している。韓松教授率いる研究室の伝統的な起業生態系を受け継ぎ、チームは品質への妥協を排した推論環境の実現を目標としている。今後はNunchakuのオープンソースコミュニティを維持しつつ、企業向けカスタム最適化および新APIの展開を加速させる計画だ。
