中国のテック大手が導入、AIエージェント「OpenClaw」が急拡大
中国でAIエージェント「OpenClaw」(旧称:Clawdbot、Moltbot)の利用が急拡大している。Tencent、Alibaba、ByteDance傘下のクラウドサービス「Volcano Engine」ら中国の大手テック企業が、同エージェントのプラットフォーム統合を進め、ユーザーが簡単に導入できる環境を整えた。特にAlibabaの協働ツール「DingTalk」やTencentの業務用チャットアプリ「WeCom」への連携が実現し、仕事のスケジュール管理やAIによるコード作成、さらには仮想の「AI従業員」の構築まで可能になった。 OpenClawは24時間稼働し、ユーザーのファイル、ログイン情報、ブラウザ履歴など多様なデータにアクセスできるため、高度なタスク自動化が可能。Tencent Cloudは開発者向けに事前構成済みのOpenClawテンプレートを提供し、クラウド上での迅速な展開を可能にした。Alibaba Cloudも自社のQwenシリーズモデルと連携できるように対応。Volcano Engineは、ECSやAPIキーのアクセス権限の管理、機密情報の取り扱いに注意するよう警告している。 しかし、セキュリティ専門家は、OpenClawのようなエージェントが「プロンプトインジェクション」の攻撃に弱く、データ漏洩や勝手な投稿を引き起こすリスクがあると指摘。ユーザーの個人情報が「インターネット上で裸の状態」になる可能性があると警鐘を鳴らす声も出ている。 一方で、中国のSNS「RedNote」ではOpenClawの使い方動画や解説が急増。ユーザー「Brother C」のチュートリアル動画は6,000回以上保存され、ユーザー「Teacher Du」は「AI従業員の実現が近づいている」と感想を述べた。Mac Miniを購入して自宅でエージェントを動かすユーザーも相次ぎ、実用的な「デジタルアシスタント」としての価値が広がっている。 中国のユーザーは米国と同様に、AIエージェントの可能性に熱狂しているが、その一方で、データの安全性と倫理的リスクへの懸念も高まっている。OpenClawは、技術の進化とリスクのバランスを問う、現実のAI社会の縮図ともいえる存在だ。
