アマゾン、経費削減を目的に約1万6000人の事務職員を削減
アマゾンは2024年4月16日、約1万6000人の企業部門スタッフの削減を発表した。これは昨年10月に実施された1万4000人のリストラに続く第二弾であり、同社が過去数年間にわたり継続している大幅な組織再編の一環である。アマゾンはブログ記事で、今回の削減が「組織の強化」のためのものだと説明。具体的には、中間管理職の削減、責任の明確化、官僚主義の排除を目的としており、人工知能(AI)分野への大規模な投資を加速する戦略と連動していると述べた。 アマゾンの人事経験と技術担当の上級副社長であるベス・ガレッティ氏は、今後も継続的な見直しが行われる可能性を示唆しつつ、「数か月ごとの広範なリストラを定例化するつもりはない」と強調。各チームは「顧客への革新力、意思決定のスピード、業務の負荷」を定期的に評価し、必要に応じて組織を調整していくとしている。この姿勢は、一時的な経済圧力への対応ではなく、長期的な効率化とイノベーションの促進を目的とした戦略的再編であることを示している。 今回の削減は、アマゾンの企業および技術部門(約35万人)の約10%に相当する。同社の全従業員数は2024年3月期末時点で約158万人。そのうちの大部分は倉庫・物流部門の従業員であり、今回のリストラ対象は主に本社や技術開発部門の管理職・専門職に集中している。10月のリストラ以降、アマゾンは2024年にも複数の部門で小規模な再編を実施しており、2022年から2023年にかけては2万7000人以上の従業員が削減されている。 この組織縮小の背景には、コロナ禍期に急増したeコマース需要やクラウドサービスの需要に対応するための急激な人材拡大がある。しかし、需要の落ち着きと競争の激化に伴い、効率化とコスト削減が急務となった。CEOのアンドリュー・ジャッシー氏は、人件費の見直しを含む「組織の軽量化」を重視しており、AI技術の導入を加速するための資源を再配分する方針を貫いている。 専門家からは、「アマゾンの再編は、規模の経済を失いつつある大手テック企業の典型的な転換期を反映している」との見方が示されている。特にAI投資のためのリソース集中が、今後の競争力に大きく影響するとみられる。一方で、人材の流出が企業文化に与える影響や、労働者の不安の高まりも懸念されている。アマゾンは、組織の「柔軟性」と「革新力」の両立を図る中で、効率と人間力のバランスをどう取るかが今後の鍵となる。
