新AIがタンパク質のイオン結合部位を高精度に特定
コンストラクター大学およびコンストラクターラボの研究チームは、タンパク質の三次元構造からイオン結合部位を高精度に特定する深層学習モデルBiteNetIを開発し学術誌Communications Biologyに発表した。同モデルは数秒で14種類の生物学的イオンの結合位置を予測可能であり既存手法やGoogle DeepMindのAlphaFold3と比較して主要生理イオンで2から3倍の精度向上を実現した。 タンパク質の機能維持にイオンは不可欠だが原子レベルでの結合部位特定は実験コストが高く従来の計算手法も単一イオン種や配列情報のみを対象とする制約があった。BiteNetIは画像認識技術の分子生物学への応用によりタンパク質を三次元グリッドに変換し11原子種をスキャンするマルチタスク設計を採用した。約一万二千件の複合体データ約三万五千ヶ所の結合マッピングで学習させ個別モデル実行の十倍速で計算を完了させた。 ベンチマーク評価ではMIonSiteおよびIonComの両基準で多くのイオン種において競合手法を凌駕し特にカルシウムやカリウムイオンの精度が顕著だった。周囲の水分子情報を組み込むことで精度がさらに向上しクライオ電子顕微鏡などの異種データにも汎用性が高いことが確認された。研究を主導したPetr Popov氏は専門モデルが既存構造のアノテーションにおいて汎用AIを補完する価値を持つと指摘している。 開発チームは結合部位が創薬ターゲットとなり得ると強調し小分子やペプチドの予測モデルを統合した単一モデルの将来開発を目指している。BiteNetIは現在登録不要のWebアプリケーションとして公開され構造生物学や創薬研究の効率化加速に貢献する可能性がある。