ロボットと機械学習が高速撮像でペロブスカイト太陽電池の作製を最適化する
大阪大学の研究チームは、ペロブスカイト太陽電池の光吸収層を自動で製膜するロボット基盤を開発し、人工知能と高速光学計測を統合した解析手法を確立した。ペロブスカイト薄膜は、溶液の乾燥と結晶化により作られるが、温度や湿度などのわずかな変化が膜質や発電性能に影響するため、再現性の高い作製が課題となっていた。 今回開発された基盤では、薄膜の析出、光学イメージング、環境条件の計測を同期させ、溶液から結晶膜へ変化する過程をほぼリアルタイムで追跡できる。研究チームはこれにより、膜の色変化を一秒未満で捉えると同時に、抗溶剤液滴の挙動を数ミリ秒単位で解析した。その結果、液滴の到達時期や衝突の仕方が後続の膜形成に重要な影響を与えることを明らかにし、製膜中の現象と最終的な膜質との関係を機械学習で整理した。 得られた知識は、抗溶剤製膜の最適化にも活用された。研究チームは液滴挙動の適正範囲を定め、鉛系ペロブスカイト太陽電池を作製した結果、光電変換効率24.4%を達成した。この成果は、試行錯誤に頼らず、製膜中の計測データから材料性能を導き出す新しいアプローチを示すものとなっている。今後は、条件と膜質の関係性をより体系的に解明し、実用太陽電池の研究開発を加速する基盤技術として注目される。
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