AIツール、小児肺炎の重症化を高精度に判定
アイルランド・ダブリン大学を軸とする国際共同研究チームは、マラウイの医療現場向けに幼児の重症肺炎を高精度で判定するAI診断ツールBIOTOPEの開発に成功した。肺炎は5歳未満児の感染症死亡原因の上位にあり、低資源環境では適切な受診判断が困難な課題を抱えていた。チームは既存の国際ガイドラインを凌駕する精度を、2,500人超の幼児データで検証し、論文誌PLOS Medicineに掲載された。 BIOTOPEはランダムフォレストアルゴリズムを採用し、呼吸数、体温、心拍数、酸素飽和度、栄養状態など多角的な生体・環境データを一括解析する。最大の特徴は、マラウイの既存保健情報システムiCHISに組み込まれ、医療従事者に業務負荷を増やさずに運用可能点にある。医師1人当たり2万8,000人とされるマラウイにおいて、AI支援は最前線の臨床判断を補完し、救命率向上に直結する。 研究にはUCD、マラウイ・ムズズ大学、ゴールウェイ大学、ベルファスト王立大学、WHOらが参加。地域コミュニティや保護者の意向を反映した参加型開発プロセスを採用し、持続的な再学習により環境変化へ適応できる設計とした。AIを活用した現場統合型診断支援は、スケーラビリティと継続進化能力を備え、グローバルヘルスにおける技術実装の新たな基準を提示している。
