元Google社員、6桁オファー拒否しAI起業
元Google社員、解雇後の高待遇復帰オファーを拒否しAI企業創設に専念 2025年11月、Google公共部門のAIおよびデータ営業チームを率いていたロブ・ウォーターズ氏(42)は、事前通告なしでレイオフされた。出張先で解雇通知を受け、即日アクセス権限を剥奪される状況の中、同年12月には元上司から新設チームへの復帰打診と6桁ドル相当の給与・株式付与が提示された。しかしウォーターズ氏は社内改革への違和感とキャリア転換の機会喪失を懸念し、企業安定を選ばず自身で設立したAIスタートアップへの全投資を選択した。 創設したKanawai AIは、エンタープライズ向けにAIの可視性、ガバナンス、セキュリティを統合管理するプラットフォームの開発を目指している。法的な競業制限を回避するため、Googleとの関係が完全に解消された2026年1月に開発を本格化。元同僚との協業により事業基盤を強化した。資金繰りの負担を軽減するため、同氏は2026年上半期は東海岸を拠点に西海岸の投資家や創業者ネットワークと接触を維持し、同年7月1日付でサンフランシスコへ事業拠点を完全移転した。家族もその後合流している。 現在、Kanawai AIは初期フェーズにあるものの、企業顧客の導入検討が進み、既存テクノロジーベンダーとの連携も開始済みである。また、シリコンバレーにてプリシードラウンドの資金調達を正式に開始した。ウォーターズ氏は高給生活からの撤退を覚悟の上で起業に挑んでおり、長年の夢であった大企業勤務と自社創業を連続して達成する過程を、現代のテック業界におけるキャリア再編の典型例として位置づけている。 構造整理が常態化するテック業界の潮流において、この事例は高度な専門職の自律的なキャリア選択を示している。ウォーターズ氏はAI・データ分野の実務経験を活かし、資金調達の早期完了と製品ローンチにより市場での立ち位置を固定化する方針だ。起業リスクと企業再編の動きが交差する中、その選択がどのように市場で評価されるかが業界の注目点となっている。
