AIブームで爆発するサーバー支出、果たして持続可能か?30年ぶりの市場急拡大の行方をデータで読み解く
AIブームに伴うサーバー支出の持続可能性が、今、大きな疑問視されている。IDCの最新レポートをもとに分析した結果、2021年Q3から2023年Q4にかけて、IDCは四半期ごとのサーバー出荷データの公表を停止。この空白期間(青線)は、2024年Q4のデータから推定されたもので、市場の実態が見えにくくなっている。この状況は、業界の透明性を損なうものと指摘される。 1999年のドットコムバブル期のサーバー年間売上は120億~130億ドル程度。当時はRISC/Unixシステムが主流で、IBMなどのプロプライエタリーシステムが高収益を上げていた。しかし、バブル崩壊後は支出は急落し、2008年のリーマンショックで再び底を突き、2012年にはXeon E5プロセッサの延期やWindows Server 2012の導入遅延が要因でさらに低迷した。その後、ハイパースケーラーとクラウド企業の投資が成長を牽引し、2018年には過剰な資本支出が生じ、2019年には一時的な支出の冷え込みが見られた。 しかし、2025年3四半期時点で、GPUやXPUを搭載したAI用サーバーの売上は、X86サーバー(763億ドル)を上回る362億ドルに達し、非X86市場は192.7%の急成長を記録。GPU内蔵サーバーは年間49.4%増、全体の半数以上を占める。2025年上半期のGPU加速サーバー総売上は3142億ドルに達しており、AI需要の膨張が顕著である。 こうした支出の背景には、ハイパースケーラーが自社設計のArmプロセッサ(Nvidia Grace、IBM Power11、System z17)や独自XPU(Google TPU、Amazon Trainium)を積極採用していることが挙げられる。ODM(オリジナル・デバイスメーカー)の市場シェアも45%から60%に上昇し、Dellに次ぐ存在感を示している。 一方で、この「1000億ドル級」の四半期売上は持続可能か。IDCの2024年~2029年予測をもとに推計すると、AI関連サーバー支出は2014~2029年の合計3兆ドルのうち2180億ドルを占める。しかし、AIソフトウェア企業の収益は投資を上回る実績がまだ見えず、技術的・経済的なリスクが残る。特にHBMメモリの供給や、モデルの計算需要がさらに増えるかどうかは不透明だ。 結論として、AIサーバー支出は一時的なブームではなく、インフラの本格的転換を示している。しかし、その規模が持続するためには、明確なROIの実現と、半導体供給の安定が不可欠である。
