分子イメージング技術が黒色腫の不要な生検を削減へ 非侵襲的診断で早期発見の可能性も
メラノーマの不必要なかいがん検査を削減する非侵襲的画像技術の開発が進んでいる。ユタ大学ヒューズマンがん研究所の皮膚科教授でメラノーマセンター共同リーダーを務めるドグラス・グロスマン医師らの研究チームは、オルルセンツ社が開発した「皮膚蛍光イメージング(SFI)」の有効性を検証し、その成果を2026年2月発行の『JAAD International』に発表した。この技術は、皮膚の痣や病変の分子構造を非侵襲的に読み取り、がんの可能性を評価するもので、従来の生検に頼る必要を減らす可能性を秘めている。 メラノーマは皮膚がんのうち90%の死亡原因を占める最も危険な種類であり、早期発見が生死を分ける。現在、臨床現場では「疑わしければ切除する」という対応が一般的だが、多くの良性の痣も同様の特徴を持つため、不必要な生検が頻発している。グロスマン医師は「SFIは、メラノーマの発症に寄与する分子信号を早期に検出できる。これにより、本当にがんの可能性が高い病変だけを生検対象に絞り込める」と強調する。 本研究では、240例の色素性病変を対象にSFIを試験。蛍光染料を患部に塗布し、αvβ3という腫瘍の進行に関与するタンパク質に結合させ、ハンドヘルド画像装置でリアルタイムで撮影。機械学習アルゴリズムで解析した結果、すべての侵襲性メラノーマを正確に検出。また、良性と前がん状態の異常痣の区別も高い精度で実現した。 特に、皮膚科医が少ない山間部など医療アクセスが難しい地域で、この技術の導入は大きな意義を持つ。今後はさらなる臨床的検証を経て、実用化が期待される。
