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バリ・アトミクス、評価額60億ドルで資金調達検討

カリフォルニア州エルセグンドに本社を置く原子力スタートアップValar Atomicsが、約10億ドル規模の資金調達を検討している。バリュエーションは約60億ドルと見込まれ、シークロアがリード投資を担当する予定だ。同社はこれまでに20億ドルのバリュエーションで4億5000万ドルを調達済みであり、異なるバリュエーションでの複数回に分けた資金導入は、現在のAI関連分野での調達環境では一般的な手法となっている。技術実証では、同社の小型モジュール型原子炉がNvidiaのAIチップに電力供給するデモンストレーションを完了し、両社はAIデータセンターの電源確保に向けた連携を正式に発表した。データセンターの電力需要は今後数年で急増が見込まれており、既存の電力供給体制では供給余力に課題を抱える地域が多い。こうした需給ギャップを埋める手段として、これまで工期延長や規制課題に直面してきた原子力発電が再評価されている。Valarが展開する技術はヘリウム冷却高温ガス炉方式であり、工場生産による量産と短納期実装を目的としている。同社の目標はデータセンター向けに数百基のSMRを建造することだが、技術的には成熟期に至っておらず、大規模実用化までの道のりは不透明な部分も残る。規制面では、米国原子力規制委員会の従来型大型炉と同じ審査プロセスを小型炉にも適用することに異議を唱え、連邦政府や競合企業と共に提訴している。訴訟は現在停止状態にあるが、和解に向けた調整が進んでいると見られる。創業者のアイザイア・テイラー氏は曾祖父がマンハッタン計画に従事した背景を受け起業し、パーム・ラッキー氏やシャーム・サンカル氏らも支援に回っている。競合にはKairos PowerやTerraPower、NuScale Powerなどがおり、規制当局の設計認証を取得したNuScaleを筆頭として次世代原子炉市場の覇権争いが激化している。Valarは低コストな製造体制と柔軟な規制対応を武器に、AIインフラを支える次世代エネルギー供給網の構築に注力する。

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