AI、生体マウス脳内注射実験を制御
米国のバイオ医薬品スタートアップ、エクシン・セラピューティクスは10月28日、アンスロピックの生成人工知能「クロード」をてんかんモデルマウスの脳内実験に活用したと明らかにした。共同創業者ガブリエル・オカナ・サンテロによると、チームは19種の遺伝子治療ベクターと発作抑制という目標を提示し、クロードに論文参照、治療法選択、注射脳領域の決定、カメラ映像に基づく立体定位装置と注射器の制御を任せた。開顱や承認は人間が担当し、注射量・動作範囲・獣医師の監視・物理的な緊急停止で安全策を設けた。 実際の生体実験では、まずクロードのオパス5.5版が動物への侵入的操作を理由に拒否し、オパス5版もシミュレーション後の本番で、途中で止まった際に針先が脳組織内にある危険を懸念して着手しなかった。最終的にソネット5版が注射を実行したが、接続障害後に座標値が許容範囲外を示したため針の移動を拒否した。人間の調査で、コントローラー記録と機器の実状態がずれていたことが確認され、判断は正しかった。再調整と別モデルによる修正に時間を要し、通常約45分の作業は1時間を超えた。マウスの回復は良好だが、発作抑制効果は検証中だ。 今回の試みは、人工知能が文献から仮説と注射条件を引き出し、実機器を制御して小動物実験を担う可能性を示す。エクシンは2024年にサンフランシスコで設立され、神経疾患の異常活動から治療標的を探索する「サーキットアトラス」を進める。アンスロピックも人工知能と実験機器の接続標準化を進めており、自律型人工知能実験の拡大が見込まれる。一方、拒否時の人工介入、設備異常の復旧、効果の再現性、外部検証可能な技術報告など、安全性と信頼性の課題も残る。
