OpenAI、AI個人財務アプリRoiを acqui-hire 個人化AI戦略を強化
OpenAIは、個人向けAIの強化を狙い、AIファイナンスアプリ「Roi」を acqui-hire(人材獲得型買収)した。同社は2022年に設立され、バルジャイ・スリニヴァサンら著名投資家から360万ドルの初期資金を調達。ユーザーの株式、暗号資産、DeFi、不動産、NFTなど複数の資産を統合し、個人の財務状況を可視化し、AIアシスタントが個別に最適なアドバイスを提供する仕組みを実現していた。 今回の買収では、CEO兼共同創業者のスージス・ビシュワジース氏が唯一、OpenAIに移籍。Roiの4人チームのうち、他のメンバーは同社のサービスを10月15日をもって終了する予定。買収金額は非開示。同社の技術がOpenAIの製品に直接組み込まれるかは不明だが、Roiが培った「パーソナライズされたAIアシスタント」の開発経験は、同社の消費者向け戦略と一致している。 ビシュワジース氏はX(旧Twitter)に「個人化は金融の未来ではなく、ソフトウェアの未来だ」と投稿。RoiのAIアシスタントは、ユーザーが「Z世代の脳死気味の若者」として対話したいと設定すると、ユーモアを交えながら「スージェ、お前は今日3万2459ドルの損失を被った。リスク許容度を考えれば、買い時かも」と反応。このように、ユーザーの性格や好みに応じて対話スタイルを調整する能力が特徴だった。 この哲学は、OpenAIの現在の消費者向け戦略と吻合している。同社は、ユーザーが眠っている間に個別ニュースを生成する「Pulse」、ユーザーのAIキャラクターを登場させる「Sora」、ChatGPT内での即時決済機能「Instant Checkout」など、個人に寄り添ったAI体験を展開。特に、前インスタカードCEOのフィジ・シモ氏が率いる消費者アプリチームの強化と相まって、OpenAIがAPI提供にとどまらず、自社のエンドユーザー向けアプリ開発を本格化していることがうかがえる。 Roiの経験は、ユーザー行動の最適化に長けたビシュワジース氏の手腕と相まって、OpenAIがAIによる収益化を実現する鍵となる可能性がある。特に、膨大なインフラ投資を続ける中で、消費者アプリによる持続可能なビジネスモデルの構築が、今後の重要な課題となっている。
